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プロの正体ってなんだろうね

世の中には、大切だけど、めんどくせーなーって思うイベントがある。健康診断だ。

なぜか伸びていることを期待してしまう身長測定、現実を突きつけられる体重測定、意味もなく勘でこたえる視力検査、意味があるのかわからない問診(意味がないって思うってことは健康の証なんだろうけど)。

そして、痛くもないのにちょっとドキドキする血液検査。

注射は苦手ではないのに、なぜかドキドキしてしまう。いつも通り、袖をまくり左手を出す。血管が浮き出るように力こぶのあたりにゴムバンドを巻く。軽くこぶしを握ると血管がでるわでるわ。

アルコールを塗り看護師の人が針を刺す場所を見定める。

ふきふき、しゅっしゅっ、ジー。…………

………………ジー。

…………、すいません、右手をみせて下さい

えっ?素人からみても血管はしっかり出ていたような気がするが。頭にはてなを思い浮かべながら今度は右手を出す。同じようにゴムバンドを巻きアルコールでふく。左手と同じように血管が浮き出てくる。

「じゃあ少しチクりとしますね」

今度は的が決まったみたいだ。からだから血が抜かれていく。

いいのか悪いのかわからない血の色をみながら僕は気になっていた。左手も右手も同じではなかったか?

疑問を解消したい衝動に駆られておもわず聞いてしまった。

なにが違ったのですか?

その人は恥ずかしそうに微笑みながらこう答えた。


「好みですね」


好み?好みの血管……

この人はきっと今まで何千人、何万人の人の血を吸い取ってきたに違いない。自分のなかのこだわりがあるのだろう。

この人はプロだ。プロならではの素人には理解できない感性があるのだろう。

プロだと思ったと同時に、変態とも思った。

変質者という意味ではない。一般の感覚ではもっていない何かを持っているということだ。

そう、プロっていうのは変態なのかもしれない。


大谷翔平だって毎日バッターとして試合に出ては、ピッチャーもやってしまう。普通、ピッチャーは一番体力を使うから、試合に出たら5日くらい休みがある。でも、大谷は違う。毎日試合に出続けて打って走って投げる。野球のすべてを網羅した変態だ。


身近でいうと、僕が尊敬していることばと広告さんも変態だと思う。

ことばと広告さんは「書く部」というメンバーシップを運営されていて、毎日がっつり記事を書いてる。しかも、書くことオンリーで。

たしか最近の記事で777記事書いたって書いてあったような気が……。てことはもうすぐ800記事いくのかな?

それにしても800記事ってシンプルにエグイ。箇条書きで書くアドバイスを800個並べろっていわれてもムリゲーである。

それをまとまった文章で書き続けているんだから、やっぱり変態だと思う。

「変態」を辞書で調べてみると

普通の状態と違うこと

普通の基準はわからないけど、

ことばと広告さんみたいな方は1000人中1人いたら軌跡だろう。いや、10000人に1人かもしれない。てことは普通ではないと思う。やっぱり、変態だ。


プロになるってことは、その分野の変態にならないといけないってことなのだ。

はたして、僕にプロになれる分野はあるのだろうか。シンプルに変態っていわれたことしかない自分を励ましながらこれからも生きていく。以上。終わり。

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