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【感想】東京ヒゴロ‪🦜‬


「期待はあらゆる苦悩のもとである」...
シェークスピアの言葉です。

東京ヒゴロ第1巻

文鳥の表紙が気になって
本屋さんの漫画コーナーから1冊の本を
手に取った。

「東京ヒゴロ」松本大洋


漫画の編集者の塩澤さんが30年間務めた出版社を辞めることから物語はスタートする。

漫画が大好きで
生き甲斐だった編集者が
どうしてその仕事を辞めてしまうのか?

その後編集者の塩澤さんは、
大好きな漫画を作るために
自らが漫画家の元へ出向き、
自分が好きな漫画家だけを集めた
オリジナルのコミックスを制作するために奮闘する。

「東京ヒゴロ」

とてもよかった。

めちゃめちゃ心に刺さった漫画だった。

松本大洋さんの漫画をSUNNYから読み始め、
その絵の上手さはもちろんのこと
章の終わりに描かれる人物の後ろ姿や風景。
何よりも本当にストーリーが素晴らしくて、
ホロホロと涙がこぼれていく。
でも、わざと泣かそうとしてこない。
この感じ。
私の感受性をそっと撫でながらたまにスっと奥まで裸で触れられる感じがして、
安心しながら好きになってしまう。

この物語の中には漫画が大好き人ばかりが登場する。
漫画が好きだけど事情があって、書くのをやめてしまった人。
好きな漫画を我慢して、売れる漫画を書こうとする人。
売れてしまってから、漫画が怖くなっていく人。
自分の漫画が書けなくなってしまった人。

それぞれ大好きだからこそ悩んでいる。

好きで始めたことがどんどん苦手や嫌いになっていく。
それはどんなことにもあるのではないかと思う。
例えば私は駅前で路上ライブをしている人を見るのが好きで、
ただ好きで歌っている人もいれば、
「売れたい!有名になりたい!」という気持ちをひしひしと感じる人もいる。

でも、いつの間にか
「絶対紅白にでます!!!」と言っていた人も急に見かけなくなってしまったりする。

もう諦めてしまったのか、
それとも違うジャンルへいってしまったのか。
彼や彼女たちは元気だろうか?
とふと思い出してしまう。

「好き」を取った人も「売れる」を取った人もどちらも幸せになってほしいと思うのは傲慢だろうか。あまったれだろうか。

売れてないものだって大好きだし。
売れてなくたっていいものだって
たくさんあるよ。

大好き大好き大好き大好き、
をずっと持ち続けていたいって思うよ。

だって大好きで始めたことだから。

どうしたらいいんだろう?
って悩んだ時は自分に期待していて
成長している証だと思う。
悩め悩め悩め。悩め少年少女、老婆に老父。
あなたのことをぜーったいに大好きな人がいるよ。応援してくれる人がいると思う。

10月末に3巻発売するってよ、
東京ヒゴロ。

巻末に紹介されている

「松本大洋プレミアムコミック文庫BOX」
(¥17,600)

8タイトル19冊入り🫰

をついポチッ、してしまいそうになった大人より。

もっと精進して参ります!!🧡 応援よろしくお願いします📖 (本代にします🙇‍♂️♥️)