
アフターデジタル2(1章)をまた読んでみた
何年か前に上司が僕にと買ってくれた「アフターデジタル2UXと自由」。
これまで数回完読しているのですが、UXやるぞ!と意気込んでからまた読み返してみることにしました。
今回は、インプットに加えてアウトプットをこのnoteで行う事にします。
オフラインのない時代が来たんやで
アジア諸国や米国、一部の欧州で起こっている現象があります。
日常においての「支払い・移動・買い物」などなどこれまでオフラインだった行動がモバイル(スマホ・Web・アプリ)で完結できてしまう時代になりました。
日本でもコロナが蔓延し始めた2019年ごろから
Uber Eatsやマックのモバイルオーダー、電動シェア自転車・キックボードのLuupやタクシー廃車アプリのGOなどが登場しましたね。
これらの登場により、オンラインがオフラインに浸透し、「支払い・移動・買い物」と言った行動ひとつひとつに個人のIDが紐づけられます。
いつ、どのような内容を、何回行ったかというデジタル情報を行動データとして活用していくことができる世界になっています。
「アフターデジタル」って?
前述の通り、オフラインだったものがオンラインになっていっているのですが、このように、オンラインがオフラインに浸透すると「純粋なオフライン」という状況が少なくなっていきます。

図のように、「REAL(つまりオフライン)」と書いた部分は「DIGITAL(つまりオンライン)」と書いた部分に比べて、存在感が小さくなる。
しかし、日本的なDXは「リアルを中心に考えて、デジタルという付加価値を捉える」という「ビフォアデジタル」的な考えが多数。
このリアルとデジタルの主従関係を逆転させて考える必要があるというのが「アフターデジタル」のコンセプトになります。
属性データから行動データの時代になっていくんだ
アフターデジタルの時代では、より詳細な行動データを取得することができます。
これにより、これまで属性データとして扱ってきたユーザーに対して最適な商品やサービスを提供してきたところから、
行動データが取得できると、「最適なタイミングに、最適なコンテンツを、最適なコミュニケーション方法で取得できる」ようになります。
これにより、市場規模換算の定義も変わってきます。
例)ハンバーガーを出店、または新メニュー開発においての市場定義
▼属性データ
「年齢は30代までので女性で年収が350〜400万円でカフェやおしゃれな店内での飲食とSNSアップが趣味な人」
▼行動データ
「毎週のようにカフェやレストランに赴き飲食と写真撮影をしたいが、直近は美容面(体型)や健康面の懸念から今週末は渋っている状況」
OMO(Online Merges with Offline)
OMOとは「オンラインとオフラインを分けるのではなく、1つのジャーニーとして捉える」という概念です。
ユーザーや顧客はオフラインとオンラインを意識的に区別しているのではなく、その時一番便利で都合のいい方を選択して利用しているだけです。
しかし、多くの企業では、オンライン系の部署とオフライン系の部署が同じ理想やビジョンを追っていなかったり、連携したKPIを追っていなかったりする場合があります。
改めて、一体のジャーニーとして捉えることの重要性が高いです。
これからはバリュージャーニーで考えたい
これまでは「製品を販売する」ために、モノを企画、生産、ファネル型で販売してきました。(バリューチェーン)
機能・性能・価格が主要の競争力になり、販売していくというモデルです。
しかし、これからのOMOの思考法で考えられた、アフターデジタルの世界では、製品は顧客接点の1つでしかないと考え、アプリ・ECサイト・販売店舗・イベント・コールセンターといった顧客との接点ポイントと等しく扱います。
これら各種接点を1つの一貫したコンセプトでまとめあげられ、その世界観を体現したジャーニーにユーザーは乗り、企業はユーザーに寄り添い続けるといったバリュージャーニーに変化していきます。
わかりやすい例が、サブスクです。
近年のサブスクは単なる定期課金型モデルではなく、「顧客が定常的に利用することで、デジタルによって顧客の状態が可視化され、顧客に喜んでもらいながら使い続けてもらう」というモデルを指しています。
また、別の例で言うと、ペイメントサービスもわかりやすいです。
支払いという行動自体、日常的で継続的な行為です。
これまで、小銭や紙幣を手渡ししていたリアル(オフライン)の行為をデジタルで完結させることによって、顧客の支払い頻度や価格から状態を可視化し、クーポンやポイントによる資産運用といったサービスを最適なタイミングで提供できます。
まとめ
「継続顧客」「継続利用」といいますが、
単に、広告費をかけないで売上を作ってくれるいい事!だけではないんですね。
ユーザーのジャーニーを把握し、ユーザー固有の行動データを取ることができたら、最適なタイミングで最適なものを提供できます。
すると継続利用時の売上単価UPや別の顧客を連れてきてくれるための環境構築にも繋がります。
では、継続利用してもらうためには?
自分もアプリを一回だけ入れてすぐアンインストールした経験はあります。
ユーザーとの接点を軽んじず、直接お金を生まないような配慮やユーザーニーズへの傾聴が継続利用につながっていくのだと思います。
「UX」がなぜ必要なのかを今一度言語化してインプットする機会になりました。