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食べること〜偏食〜

 我が家の5歳の発達障害のある三男には「食べること」の困難があります。偏食、手先の不器用さ、咀嚼嚥下の苦手さ等です。

 その中でも偏食について、現在食べられる物は
ごはん うどん ラーメン(札幌一番味噌ラーメン)ポテト 納豆 豆腐 味噌汁(豆腐)
唐揚げ 鶏そぼろ つくね ナゲット
りんごジュース 牛乳
アイス お菓子(クッキー 決まったスナック菓子)等 ピザ 
などを代わる代わる食べています。

 幼稚園の給食も食べられないので、お弁当に食べられる物だけ入れて持っていっています。

 食べることに関しては私が最も苦労しています。どうしたら食べるのか、全くわからないのです。

最近では言葉が増えてきて、
「味がいや。酸っぱいの。」
「おえってなるよ。嫌なの。」
と、少しずつ

なぜ食べられないのか、食べたくないのか

教えてくれるようになってきました。
「味がいや」と言うことには感覚過敏による影響もあるのかな?とか、
「おえってなるよ。」と言うことには咀嚼や嚥下、もしくは不安などがあるのかな?とか、いろいろ考えます。

 小さい頃栄養指導や小児科のアレルギーの先生に相談しても、発達障害の偏食とは説明されずなかなかわかりませんでした。
「そのうちたべれるようになるよ」とか、
「気にしすぎ」
「もっと食べれるんじゃない?」等
何げなく言われる言葉に悩むこともありました。上2人ここまでの極度の偏食はなく、工夫すれば食べれる様になると私自身思い込んでいました。

 そんな中、金沢大学の田部絢子先生の「発達障害等の子どもの食の困難の実態と支援ニーズー「食べられない」を傾聴と対話で支援するー」という講演会を聞きに行きました。田部先生は、発達障害のこどもの立場から「なぜ食べられないのか」ということを徹底的に調査し、支援の在り方を研究されている方でした。田部先生の熱量に心を打たれ、今まで理解できなかったことが、紐解くように理解できました。先が全く見えなかった私には何か道が開けてきたように見えました。

(講演会で紹介されていた絵本『あっくんはたべられない』作・あっくん 監修 高橋智 世音社)


 「自分の苦手をわかってくれている」ということは、発達障害等の本人にとって「不安の解除」につながります。「とにかく一口食べてみる」「たべられるようになるまでずっと続ける」といった経験や慣れることばかりを求める支援ではなく、偏食の背景にある、本人が抱える「不安・緊張・恐怖・抑うつ・ストレス」等を丁寧に把握・理解し、本人が求める支援ニーズを十分に踏まえながら、食に関する発達支援を考えることが必要です。(東京学芸大学 高橋智)

 出典元:「あっくんはたべられない」
               作 あっくん・監修 高橋智 世音社

 私はうちの三男は一生同じものしか食べないのだろうか?と漠然とした不安で覆われていました。親にとっては「食べない」「食べられない」「同じものばかり食べる」は心配や困りごとかもしれません。だけど、少しずつ「何故食べたくな いのか」教えてくれるようになってきた三男をみながら、本人にとっての困りごとはもっと違うところにあるのかもしれない。成長とともに、その気持ちを伝えてくれたらいいな、と思えるようになりました。
 幼稚園に通い出した時、ここは僕が食べる場所じゃないとでも思っているかのようにお弁当を食べず帰る用意をしていた三男に、
 「お母さん、何でもいいから彼が食べられるものをお弁当に入れてきて、ドーナッツでもなんでもいいよ。まずはみんなで食べるって楽しいって思えることからだから。」
 といつも三男の心に寄り添ってくれる幼稚園の先生方に感謝です。
今では幼稚園で毎回同じ自分の好きなものの入ったお弁当を安心しながら食べ「ピカピカになったよ。」「お弁当食べたよ。」と帰ってきます。
まだまだわからないことだらけ。小学校の給食という試練が待ち受けているけれど、今できること、たべたいものを一つずつ共有しながら親子で乗り越えていきたいです。






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