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ラグビーをはじめて観た


試合の内容

 先日 12月18日(日)、味の素スタジアムにて、東京サントリーサンゴリアスvsクボタスピアーズ船橋・東京ベイ の試合を観戦しました。スコアは18-31。私がはじめてこの目で見たラグビーの試合です。
 以下、しばらく私の身の上話が続きますので、試合の感想だけを知りたい方は、目次の「試合を観て」をお読みください。

最初に会ったラガーマン

 私がはじめてラグビーの経験者に会ったのは、まだ学生の時。ある災害のボランティアに参加したときでした。同じ学校の、下の学年の男の子。ラグビー部だというので、私は驚きました。
「えっ、この子が?」
というのも、彼は身体が小さかったからです。Aくん、ごめんね。休憩時間にちくわだけをモリモリ食べていたのもまた、驚きました。安くておいしいタンパク質を摂っていたのでしょうか?
 思えば私はこの時から、「ラグビー選手=身体が大きい」というステレオタイプに染まっていました。

二番目に会ったラガーマン

 それは奇しくも(?)、今の夫です。正確には経験者です。私は試合に出ている彼を見たことがありませんが、高校・大学とラグビー部に所属していたそうです。夫に会ったことのある方ならわかると思いますが、彼は縦にも横にも大きいです。今でこそぽよぽよになってしまいましたが、「ラグビーやってた」ときくと、「なるほど」と思わせる身体つきです。学生時代に会った、あの男の子とは対照的です。

ラグビー観に行こう!


 そんなわけで、いつか夫とラグビーを観たいと思っていましたが、Jリーグのシーズン中にはなかなか難しく、機会をつかめずにいました。加えて、過去何度も述べたように私は生粋の出不精。Jリーグがないのは寂しいですが、何日も外に出なくても平気です。
 夫は違います。家にいると腐ってしまいそうな人で、この頃も「秋葉原に行こう」「スカイツリーに行こう」と誘ってきます。
(そこまで遠くには行きたくないな……)
と、渋っていた時、いい折衷案を思いつきました。
「ラグビー観に行こうよ。味スタなら近くていいでしょ。どこのチームでもいいから。」
「ラグビーがいいの?」
夫は一瞬戸惑ったように見えましたが、その足でコンビニにチケットを買いに行きました。ありがとう。

キックオフまで

 試合当日。スタジアムの最寄り駅・飛田給駅の前には、すでにサポーターと思わしき人たちがたくさんいました。開幕戦ということで駅前で配っていた号外の新聞をもらいました。
 スタジアムに入場するとき、ホストのサンゴリアスのベースボールシャツをもらったので、さっそく着ました。前開きだと、上着のうえからも羽織れていいですね。これを着たからには、サンゴリアスを応援することにしました。
 キックオフは14時半。まだまだ時間があったので、スタグルを物色しました。本当は甘いものが食べたかったのですが、スイーツの類はありませんでした。残念!夏になったら、アイスクリームやかき氷が食べられるかしら。勝手な期待をしつつ、大好きな角煮まんじゅうを買って食べました。

 席につくと……、缶ビールを片手にわいわいする初老の男性方、ハリセンを叩いてはしゃぐ子どもたち、観客それぞれにゆっくり時間が流れていました。かなり寒い時期なので、誰でも厚着をしていました。もちろん私もです。ダウンコートを着ていましたが、それでも寒いくらいでした。
 キックオフまで、スタジアムDJが会場を大いに盛り上げてくれました。
「クラップ!クラップ!」
私も、DJの掛け声で手拍子しました。この時、ホスト・ビジターの区別があまり感じられず、会場全体がなんとなくひとつになっているように思いました。大型ビジョンに映された観客たちは皆、本当に楽しそうでした。あまりに楽しい雰囲気だったので、私も「ヤングマン」の歌に合わせて、腕を動かして踊りました。時間を忘れるって、きっとこういうことです。

試合を観て

 アップ中の選手たちを見て思ったことですが、想像していたほどの巨躯ではありませんでした。全員、規格外に大きいものだとばかり思っていました。
 でも、身体が大きければ大きいほど、必ずしも得点や勝利につながるわけではありません。このことは、試合が動いてすぐ、素人ながらにわかりました。ラグビーは力任せに戦うスポーツだと思っていましたが、かなり頭を使う必要がありそうです。どことなく、将棋に似ているなと思いました。どうやって陣を進めるのか、どうやって王手をかけるのか、どうやって侵略を防ぐのか。常に考えて仲間と連携をとらなければいけません。こんなに難しいスポーツを何年もやっていた夫を、すごいと思いました。
 もちろん、力技にも魅せられました。何度も選手の密集がぶつかり合い、太ももの筋肉がギラギラ光っていました。あれは、もはや凶器です。
 試合の終盤、タックルをかけた選手を、
「ナイスタックル!」
夫が鼓舞しました。選手はそのままふっ飛ばんばかりの勢い。夫も昔はタックルしてたのかな?もしその身体でされたら、ひとたまりもありません。タックルされる方も、特殊な訓練を受けているのでしょう。
 そして一番驚いたことは、試合中にもDJが、必要に応じてアナウンスをしてくれることです。「アドバンテージを見ていました」など、状況の説明をしてくれます。Jリーグでは、なぜ試合が止まっているのか、今何をしているのかわからないことがありますので、これは助かると思いました。(現状の問題提起ではありません。)そして合間合間に、「手拍子で応援してください!」と、サポーターの心に火をつけ続け、80分間の試合を盛り上げてくれました。
 その日の入場者数は1万人強。こんなにもたくさんの人が、リーグワンの開幕を心待ちにしていたのです。行かなければわからない、いつもと違う味スタの景色を見ることができました。
 結果は18-31。サッカーでは見慣れない数字です。応援していたホストのサンゴリアスは残念ながら負けてしまいましたが、私にとっては楽しい思い出になりました。

これから、夫と

「ラグビーでどんなプレーしてたの?」
夫に訊いても、ふわふわとした言葉ばかりで、的を射た解答が返ってきません。彼がラグビーをしていたのは10年以上も前のこと。覚えていなくても仕方のないことですが、それでも、夫は自分のプレーを鮮明に覚えているそうです。つまり、夫の話を理解できる知識が私の中にないから、腑に落ちないのでしょう。
 やはり、ラグビーは私にとっては未知のスポーツでしたから、一度観ただけではルールを覚えきれません。また何度か足を運んで、ちょっとずつ、夫の思い出に寄り添えるようになれたらいいな、と思います。今度は秋葉原やスカイツリーに行こうね。


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