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冨樫氏と休載についての考察

冨樫義博は「狼なんて怖くない!!」「てんで性悪キューピッド」「幽遊白書」「レベルE」「HUNTER×HUNTER」etc…の作者である。

その中でも『HUNTER×HUNTER』は非常に高く評価されており、タイトルだけでも聞いたことがある人は多いだろう。


しかし、この漫画には面白さの他にもう1つよく話題にされるものがある。休載率である。

冨樫仕事しろ
クラピカが船乗ってる間に鬼滅の刃が始まって終わった

など、HUNTER×HUNTERは休載により話がなかなか進まない。2020年11月現在、もうほぼ2年休載している。掲示板もよく分からない荒らしが多発し、ファンは進学したり子供ができたり亡くなったりしている。この記事では冨樫氏の体調や私生活がわかるシーンを抜き出し、ざっくりと紹介していく。また、現在の冨樫氏についても考えていこうと思う。


狼なんて怖くない!

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冨樫氏の第一作、短編集。

冨樫氏の性癖(?)がなんとなくわかる作品である。不良、エッチ、ホラー…この本では作品毎に当時を振り返ったコメントがあるのだが、どれを読んでも『夢に向かって奔走する若手漫画家』という感じであった。徹夜はかなりしていたようだが、その文章にダークさは少ない。(漫画のほうはけっこう…)


てんで性悪キューピッド

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冨樫氏初めての全4巻連載作品。(H元年32号〜H2年13号)

女体のエロスを描く上手さをこれでもかと全面に押し出した作品。おじさんが「今のジャンプは規制ばかり」と言うのもそりゃね…と納得してしまうほど過激になっている。1巻の作者コメントを抜粋すると

ぐわ〜〜〜!!遊ばせてくれ〜〜〜。週刊連載が、こんなにきついと思わなかった!!週に4日休めて、お金がたくさんもらえるって聞いてたのにな〜〜〜。(中略)…あ、いけね、借金返さなきゃ…ダイエットしなきゃ…寝なきゃ……

かなり悲惨な生活をしていたことが読み取れる。その上のイラストも中指を立てた冨樫氏。2巻に収録された「作品ウラ話」では、1週間に8時間しか眠っていなかったことが明かされている。


幽★遊★白書

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全19巻。2巻までは短い探偵もの、3巻からはバトルものとなっている。約4年の連載で休載は1度のみ。

作者コメントによると、半年続いた腰痛により酷い時は床に寝た状態で漫画を描いていたこと、風邪でめまいと吐き気に悩まされながら描いた回(おそらく「ナイフエッジ・デスマッチの巻」)があったという。本作からも締切であったり睡眠時間が全く足りておらず疲弊したコメントが多く読み取れる。

味野くにお氏の『先生白書』(冨樫氏のアシスタントであった味野氏が先生のエピソードをまとめた漫画)によると、15巻冒頭の頃には冨樫氏の意向で連載を終了させることが決まっていたらしい。


レベルE

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全3巻。月1回の定期連載という異例の作品。ギャグテイストな部分も多いが、人間だけに留まらない悪意を緻密な絵で描いている。

1巻(1996年)の時点で冨樫氏は30歳である。

「先生白書」で当初はアシスタントを必要としていなかったこと、編集部とストーリー構成について議論があったことが分かる。


HUNTER×HUNTER

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現在全36巻(連載中)。

休載率については検索すれば年表やその詳細がいくつか出てきます。

週刊少年ジャンプの1番後ろの作者コメントページには今でも律儀に冨樫氏が休載するお知らせが書いてある。二度アニメ化された大ヒット作。作者コメントの数も膨大なのでいくつか抜粋する。

もう弱音吐きません。逃げません。切れません。と思います。多分。(1巻より)
この巻も大変でした。(18巻より)
もっと大変でした。(19巻より)
いっぱいいっぱいです。(21巻より)

4巻で結婚したことが明かされている。(お相手は『美少女戦士セーラームーン』の武内直子氏)11巻では第一子、27巻では第二子の誕生が発表された。

「てんで性悪キューピッド」から続く漫画へのこだわりに比例する連載の疲弊が、少ない字数で語られている。私生活について語ることも比較的少なくなっている。


現在の冨樫義博

ここからは考察です。

近年の冨樫氏は前述の通り私生活についてあまり語らず、ファンは現在なぜ連載が再開しないのか把握できなくなっている。インターネットでよく唱えられる説として

・腰痛説

・精神的理由説

・サボり説

が上がるので、この3つの可能性についてそれぞれ考えていこうと思う。


・腰痛説

冨樫氏の腰痛については幽遊白書で語られていた。座れば激痛という、漫画家にとって致命的な病である。これが慢性的なものになっていたとしたらまず週刊で長く続けられることはない。

また、冨樫氏は若い頃から徹夜などの不養生な生活を送ってきていたため、腰以外にもどこかを悪くしている可能性はある。


・精神的理由説

様々なコメントを読んでいると、冨樫氏は完璧主義的なところがあるように受け取れる。最近のHUNTER×HUNTERは絵柄はデフォルメされているものの絵の緻密さはレベルEにも勝るほどであるため、連載時の絵から単行本にする際に完璧に仕上げようとかなりの修正を加えている可能性がある。

もし若い頃の激務、編集部との固執、ファンからの過度ないじりが影響していれば漫画に対してノイローゼ気味になることは必然であると思われる。


・サボり説

HUNTER×HUNTERの作者コメントでは旅行に行った様子が写されていたり、アイドルグループのライブに参加した様子がTwitterに上がっていたりする。

これについての意見は集英社か冨樫氏から具体的な声明が出ない限り誹謗中傷になりかねないのでこれ以上は省かせてもらう。



冨樫氏は2020年現在54歳。

2012年頃からのファンにとって今回ほどの長期休載は2回目だが、それ以降からのファンからすれば異例の事態なのである。

「次の10週分ネームは出来ているので体調や状況と相談しつつ原稿進めて行きます。」

という最後の作者コメントも相まって、連載再開へファンの期待と不安は大きく揺れ動いている。一読者として、また冨樫義博氏の漫画を読める日をただ心待ちにする他ない。



乱文失礼しました。この記事は一ファンの考察に過ぎません。最後まで読んでくださりありがとうございました。


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