同性同士であっても、「強くあれ」と求めてしまっているらしい

発覚

 恋人とその友人が話していて発覚したこと。「女の子同士で付き合っていても、"頼れる恋人であってほしい"って言われる/求められることはよくあるよね」

 衝撃だった。

 男性だからリードしろ、女性なのだから守ってもらえば良い、そういった縛りを自分にも相手にも押し付けずに済むことが、同性同士で付き合っている時の居心地の良さにつながっていると思っていたから。

 だが、そうではないらしい。「だから、弱みを見せた時に"そんな人だと思わなかった"と落胆されることがある。自分だって、いつも強くはいられないのに」とも話していた。

 その場にいながら自分だけが全く共感できなかったのは、私の外見が俗に言う「フェム」だからなのかもしれない。小柄で、ぱっと見が女性らしい(望んでそちら側にいるわけではないのだけれど)。他方、恋人もその友人もどちらかというと「中性/ボイ」に分類されるのだろう。背が高くて開襟シャツとか着こなしちゃって。

 これまでの恋愛で「頼れる恋人であってくれ」と要求されたことはなかった。頼られる人間ではありたいし、頼ってもらえたら嬉しいけれど、自分も弱々するタイミングは当然あって、電話越しにメソメソ泣いて恋人に励ましてもらったことは幾度となくある。

 それは、自分がそういう関係性を望んでいたこともあるかもしれないが、自分の見た目も関係していのではないか。そう考えると、何だか悔しい。勝手に判断してくれるなよ、みたいな。

 頼る側/頼られる側と分けられてしまうのはしんどかっただろうなぁと思ってしまう。そして、同性間では珍しいと書いてしまったが、同性間であってもその状況が存在するのならば、異性間ではより一層分断が深いのではないだろうか?とも思った。

 いつだって頼られる、弱みを見せない男性であれと言われている人が多いんじゃないだろうか、と。

 自分の知らない重圧がある。きっと。

暗さも弱さも

 恋人から「こんなにありのままでいいんだって思わせてもらっているよ」と言ってもらったことがある。

 …いや、普段スマートにレディーファーストできて(あなたもレディーですが?)格好良い恋人が自分には弱った部分も見せてくれるのなんてご褒美以外の何物でもないが?!という感じで生きているのだけれど、どうも多数派の反応ではないらしい。

 だって支えられてばかりじゃ申し訳ないよ、せっかく付き合っているのだから暗いところも見せておくれよ、弱っている時だって一緒にいさせておくれよ。

 外見や性別に囚われず支え合っていける関係が増えたらいい。今よりも生きやすい人が増えたらいい、と思う。

 

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