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緊急寄稿 | シリコンバレー銀行の破綻

脱日本放浪記では海外20年の体験も通して、起業、国際ビジネスや人生論などを恩送りに挑戦してみたいと筆を取り始めました。ただその前に私の考え方の背景を理解してもらおうと「生い立ち」という遠回りをしながら、今は浪人時代物語#3まで書き留めています。

とは言え、世の中は待ってくれない「今」を興味に沿って「緊急寄稿」でお届けしてみます。

ということで今日は、先週水曜日(3月8日)に起こった「シリコンバレー銀行の破綻」を500字制限にとらわれずお伝えしたいと思います。

米国現地時間の3月8日(水)にシリコンバレー銀行(以下、svb)の破綻がニュースで全米を駆け巡りました。

https://www.youtube.com/watch?v=fY4qBfeLgi8
東テレBIZ引用

2008年のリーマンショック時にワシントン州にあったWashington Mutual Bankの40兆円規模の倒産に続く、20兆円規模の倒産が今回のsvbです。(ちなみにWMBは2001年に渡米して口座開いたシアトル地元密着型の好きな銀行でした)

1)シリコンバレー銀行とはどんな銀行なのか?

全米第16位規模の銀行。イノベーション関連では世界第1位。米国ベンチャー企業の約半数が口座を持ち、世界のベンチャー企業の4割近くが口座開設。あの有名なYコンビネーターに所属する3分の1のベンチャー企業がsvbに口座を持っているそうです。

2)起業家が何故口座を開きたがるか?

担保がなくても「人に投資する」という経営理念でローンを組んでくれる従来の銀行概念を覆してきたベンチャー企業に寄り添う銀行でした。また単なる銀行業務だけでなく、投資家の紹介や財務アドバイスなどもしてくれる。VCからの入金が遅れそうなときには、キャピタルコールの電子メールのエビデンスで短期融資もしベンチャー企業を育てる銀行でした。

3)なぜ破綻したのか?

1年以上前から米国株価は低迷し、資金調達が困難になり、市場が悪いために2022年は上場延期するベンチャー企業が増えるなか、預金を使いお金の流動性も悪くなっていた。そこでsvbは国債などの債権を2兆円余り売却する事で現金確保をしようとしたところ、最近の米国金利上昇の影響で1800億円の損失を計上。シリコンバレーで影響力のある個人投資家やVCがsvbがやばいということで預金を移すことを発信したことで一挙に破綻。

3)破綻後の2日間の動き

ニュースが駆け巡ったその日に3000数社のVCが米国政府に救済の嘆願をしたそうです。そして、米国政府は2日後の3月10日には、National Bank of Santa Clara銀行を作り、svbの預金を全て移動。現地時間の12日(日本時間の今日)、日曜日にも関わらず米国政府はFRBとFDICによる救済処置を発表しました。

破綻の引き金がsvb根幹ビジネス失策ではないという理解からシリコンバレー界隈では、svb復活の期待感があるし、「人の可能性に投資」に否定にはならないという見方があるようです。非難より救済というベンチャー精神がみなぎるシリコンバレーおよび米国ならではの対応が今後の期待されるところでしょう。日本は自省含めて学べきことがあるのではないかと思います。

4)日本への影響

破綻から48時間以内に米国政府は受け皿になる銀行を設立し、救済保証を4日後に発表というこの「スピード感!」

これが日本ではまず出来ないでしょう!

それは責任者不在だからだと考えます。

日本も戦後の焼け野原から立ち上がる時に政府や民間企業には肚の座った指導者・経営者が居て即決で動くダイナミズムがあったはずです。バブル景気崩壊後は、責任逃れで何も即決できない情けない状況に陥ったまま今日に至っているのではないかと思います。

だからスピード感もないし、明快な答えや具体的対策が見えないばかりか行動に繋がらない。

海の向こうのsvb破綻によって、日本金融業界がどういう反応、行動を取るのか興味深いところですね。

変革やイノベーションは、理不尽だとかおかしいという「怒り」の感情が突き動かすエネルギーになることはあると思います。

今回のsvb破綻は現在進行形です。

起業家、政治家、金融業界の方々だけに関わらず、多くの人々が何かを学べるライブ機会だと思います。

参照:3月13日 ClubHouse 経営730

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