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グローバル コミュニケーション 4|ハ方目
前回の新人のテレックス時代からの続きになります。
米国本社に着任してから社内挨拶回りしていた時でした。
テレックス差出名は、イニシャルのMY、SDS、RJIと実名は知らなかったので、初めましての挨拶で名前を初めて知る事になりました。但し、私のテレックス・イニシャルは、苗字のONAKAだったのでHiroshiは発音し難いし、イニシャルで覚えられたOnakaでずっと呼ばれる事が多い在米生活になりました。
仕事が始まって2−3週間経った頃だったでしょうか、技術チームのボスに「会うまではてっきり身長は2メートル越す巨人かと思っていた!でもこうして付き合ってみるといい奴じゃあないか」と言われました。
判ったのが簡潔に字数を省略してのテレックスは、とてもキツイ上から目線のトーンが多く巨人の印象を持たせていたのでした。
確かに製造メーカーの苦労や背景も知らず、海の向こうのテキサス州の片田舎から「何をいう!」みたいな気負いの気持ちが、メーカー側の立場だけの一方的なコメントになっていました。実際、本社側のバイヤーや技術チームの置かれた立場や状況が理解出来るにつれて、対岸の苦労も理解せずに俺様みたいなメッセージになっていたのだと反省しました。
若い時には、仕事の責務が重いというか任されると気負いが出るように思います。そうすると足元にしか目が行かず俯瞰図で全体を見渡し、理解する余裕がなくなる。
少林寺拳法に「八方目」という目付けについての教えがあります。
「前後左右」・・・これで四方向。大抵の人はここまでは出ます。そして斜めを入れて八方向・・・不正解! 前後左右で視界としては斜めを含むと考えます。なぜならあと「上下」という方向があります。上から叩かれる、下から蹴り上げられる。
これで六方向・・・残りに二つは?
それは、「自分の心の内観」と「相手の心を読む」です。これで八方目。
最初の六つは視覚で捉えることができますが、後の二つは心の眼。いわゆる視覚で捉えられない心眼になります。
コミュニケーションの醍醐味もそこにありますね。
目で見える相手の表情や文字になっている文章は視覚。相手の表情から寄り添い何を感じ、考えているか?行間から相手が何を思って書いているか?伝えようとしているのか?
テレックス時代とは違い、現在はLINE, 電子メールやSNSによって字数に気を使わず、画像を屈指して色々と発信が簡単にできます。それに即答がなかったら相手に腹を立てる。でも相手が即答できない状況にある・・忙しい、何か手が離せない、困っている?などの相手に寄り添い、心を読む配慮にかけていると便利な道具が相手を傷つけ、自分も傷つく武器に変わってしまいます。
便利のなかの不便を受け入れる心の余裕というか気遣い。
気負いをなくす。
「心配り」は大切です。
ちょっとしたことで「り」がないと「心配」になります。
心配を生み出しているのは相手ではなく、相手の心に寄り添うことが出来ていない「り」を忘れた自分に因があるのかもしれません。
追記:
今年の7月20日は、ブルース・リー没後50年でした。シアトル在住中には彼の墓参に何度となく通いました。
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右 ブラント・リー(息子)
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