見出し画像

2022年、今年読んだ本マイベスト10(ビジネス・小説・その他)

今年もたくさんの素晴らしい本との出会いがありました!

忘れかけているものが多数なのですが、印象に残った本をベストテンにして記録しておこうと思います。
ちなみに順位は特になく、ざっくり「ビジネス系」「小説系」「それ以外」の3つに分けてご紹介します。

この記事が、誰かの新しい本との出会いにつながりますように!


ビジネス系

1.『Believe It 輝く準備はできてるか』ジェイミー・カーン・リマ

去年(2021年)転職した理由の一つに「経営というものをより近くで知りたい」という気持ちがありました。実際に経営に近い立場で日々仕事をしてみて、「私には向いていない」と色々な面で思ったのですけれども。

この本は、自宅のマンションからコスメ会社を立ち上げ、無数の「NO」を突きつけられる日々を経て、ロレアルに会社を売却した女性のお話。やっぱり結果を出す人の努力、経営者の心労・労働量はすさまじい…と改めて著者の経験談を読んで感じました。

この人の起業の目的は、「どんな容姿でも、あなたはありのままで美しい」というメッセージと共にそれまではなかったコスメを世の中に届けること。たくさんの苦労を重ねながら自分の目標に向かっていく凛とした姿がとにかくカッコ良いのです。

そして、著者の成功談だけじゃなく、真実の姿を見せてくれるところにすごく親近感を抱くし、励まされます

ありのままの私を愛したい。
自分を信じて挑戦したいことがある。

そんな人が読むと励まされる本です。道なき道を切り開いたストーリーに励まされたい人にはおすすめです。


2.『キャリアの悩みを解決する13のシンプルな方法 キャリア・ワークアウト』田中 研之輔

キャリアの悩みって、尽きなくないですか?
去年初めて思い切って決断をして転職したけれど、周りの環境も自分の状況も日々変化していくので、「将来絶対こうなりたい!」という確固たる将来像を描くことが難しくて。

本当は目指す将来像があって、そこから逆算してキャリアを積んでいければ迷いもなく効率的なんだろうけど、いくら考えても分からない。

そんな時に書店で出会ったのがこの本でした。著者の田中さんは以前別の著書『プロティアン 70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本術』を読んだり、ネット記事でたまに拝見したりして、「プロティアンキャリア」の考え方にはずっと注目していました。
やりたいことがポンポン出てきたり、新しい環境に飛び込んで自分の世界を広げることが好きな私にはぴったりのキャリアデザイン手法かも、と思っていたのです。

結局目指すキャリア像は正直見つかっていないのですが、変化の激しい時代、逆に「絶対こうなる!」と盲目的になるのも危険かもしれない、と思い、この本で主張している「プロティアン」的なキャリアを指針にしようか、とも思っています。

組織に頼るより、「何があってもやっていける自分になる」ことの方が結局安定につながるんじゃないか、ということは学生の就活時代から考えています。


3.『ビジネスの未来 エコノミーにヒューマニティを取り戻す』山口周

2022年の読書は山口さんの著書にハマることから始まりました。
電通やボストンコンサルティンググループで働いた経験からビジネス書も多く出版していますが、美術系の専攻だったため『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』といった本も上梓されています。

経済成長を終え、「高原状態」となった現在の日本。ビジネスの役割は終わりつつあり、これから必要なのは「経済成長ができない」ことではなく「経済以外の何を成長させればいいかわからない」という社会構想力の貧しさにあると著者は言います。

これから重要になるのは、「経済性」より「人間性」。
「踊りたい」「描きたい」「草原を駆け抜けたい」…といった、一見実生活には必要ではないが人間を人間たらしめている欲求。そういった欲求に根差して動いていく社会になっていくのがこれからの資本主義なのではないか?というのが筆者の主張です。

そんな中で私たちに残された仕事は ①社会的課題の解決 ②文化的価値の創出 に結び付く仕事。今社会の最前線で活躍している人は遊びと仕事の境界線があいまいになってきていて、自分の取組に没入感・楽しみを感じている人が、自身の創造性・生産性を十分に発揮できていることになる。

…といったようなことが書いてありました(一年前に読んだので読書メモの要約になってしまう)。
今、「フラを踊る機会・成長する機会と、ハワイの文化をお届けする」という仕事をしており、まさにこれは ②文化的価値の創出 につながる仕事で、こういった仕事をして「経済性だけでない豊かさ」を届ける仕事は必要だ、と応援してもらった気持ちになったことが印象に残った本です。



小説系

4.『ハケンアニメ!』辻村深月

図書館で見つけて、ふと気になって読んでみました。派遣さんの小説かと思ったらアニメ業界のお話でした。

アニメ業界も、そもそもアニメ自体も一ミリも知らないのですが(今年SPY×FAMILYだけは旦那の影響で見始めて大変ハマりました)、アニメ愛にあふれた人ばかりの小説ですごくカッコ良いし、ストーリーとしても面白くてすぐ読めちゃいます。最後の場面は胸が熱くなりました。

今年は元気をもらいたくてお仕事小説を結構読んだのですが、なかでも面白かった本のひとつ!
そういえば映画化もされていたので今度見てみたいな…。

にしても、辻村深月さんの小説、幅が広くてすごい。
次に紹介する本と合わせて、『嚙み合わない会話と、ある過去について』も読んだのですが、『ハケンアニメ!』みたいな爽やかさ、疾走感が全くなく、読後感が悪すぎて、後味の悪い内容で、今でも印象に残っています。。。
話は好きじゃないけど、こんな両極端の話を書けるって、小説家って本当すごいなあ。


5.『東京會舘とわたし』辻村深月

今年で100周年を迎える東京會舘。
日本初、民間の力のみでできた「社交場」として、東京そして日本の歴史を見てきた建物です。

関東大震災、東日本大地震と二度の大震災を経験し、戦前は大政翼賛会の本部になり建物の名称も「大東亜会館」に変更。
戦後はGHQに接収され、「アメリカン・クラブ・オブ・トーキョー」とその名が変わり、将校たちのクラブになったそうな。

この本は史実に基づいたフィクションですが、とても気に入りました。
會舘誕生当時から、色々な時代の人が主人公となり、オムニバス形式で話と時代が進んでゆきます。

登場人物にそれぞれ人生があって、東京會舘がその大事な一部になっていて、登場人物が少しずつ繋がっていって。
そして全員が東京會舘を大切に思っているのが伝わって、気持ちがほっこり。夜寝る前に読むのにおすすめしたい本です。


6.『プリティが多すぎる』大崎梢

小学生の頃、ファッション誌「ニコラ」が大好きでした
毎月発売日には、学校が終わり次第すぐにコンビニに向かって最新号を買い、2日間くらいかけて隅々まで読み込んでいました。
岡本玲ちゃんがトップモデルだった時代で、今でも「あんな企画であんな服が紹介されてたなあ」とか「あのニコモ(ニコラモデル)の書いた文字が好きでマネしていたなあ」とか、忘れん坊の私が細かいところまで思い出せるくらい好きでした。

そんな過去があるからか、裏側を知れるようで読んでいてとても楽しかったこちらの本。
意にそぐわない、少女向けファッション誌の配属になった男性編集者を主人公にしたお仕事小説です。

自分があこがれていた読者モデルさんたちは、こんな関係性だったのか…!?とか、ファッション誌の裏でこんな大人が働いているのか…!とか、発見があり。
「そうだよー対象年齢の女の子たちは本当に楽しみにしているんだよー」と心の中で主人公に呼びかけながら読みました

私と同じように青春のそばにティーンズ誌があった人は読んでみたら面白いかもしれません!


その他

7.『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』ビル・パーキンス

人生で何を大事にして生きていますか?
そのための行動をとれていますか?

著者にとっての人生で一番大切な仕事は「思い出作り」。なぜなら、最後に残るのは結局思い出だけで、大切な人も、お金も、キャリアも、何も天国に持っていくことはできません。

とはいっても、人生お金がなければ生きていけないし、楽しいことだけしてお金を使っていたら生きていくことが難しくなってしまう。
この本には、「アリとキリギリスの生き方の中間にある最適なバランスを見つける」ヒントが詰まっています

私が印象に残ったのは、「高齢になるほどお金を使わなくなる」ということ。そして対照的に、経験に投資するなら人生の早い段階の方がリターンを多く得られるということ。

今の日本では90歳の親が60歳の子どもに相続するなど、高齢者がお金を保有しがちです。だけど、そのタイミングは実はお金を渡すのには最適なタイミングじゃないのです。
自分はまだ相続する側じゃない…というか、まずはお金を稼がなければいけない段階ですが、「お金の使い時はいつか」「その経験をいつ積むか」を人生基準で都度見極めていきたい、という新たな教訓をもらいました。

お金の使い方=どう生きるか、の選択の結果です。あなたは悔いのないお金の使い方ができていますか?


8.『NYの人気セラピストが教える 不満を上手に伝える方法』ガイ・ウィンチ

今年、人生で初めて、同棲を始めました。結婚もしました。すると、イライラすることが増えました。冷戦状態になったある日、家にいられなくなって、飛び出して向かった先の書店で手に取ったのがこの本です。(笑)

「きっとこの先も不満を抱くことが沢山あって、その都度こんな状態になっていたらしんどいなあ。どう伝えていけばいいのかな」と悩む気持ちに色んなアンサーをもらいました。

不満を口にするのって、なんとなく悪いことなイメージがありませんか?私もそうだったのですが(愚痴はなるべく言いたくないと思っていた)、不満を解消せずに抱え込むことは健康にも良くないのです。
そして、不満を上手に伝えるスキルは人生の武器にもなる!なんなら、社会の課題解決にもつながってしまう!

不満を解消することにはそんな効果もあって、「じゃあどうすればいいのか」という人にはこの本を読んでみてほしいです。パートナー、親子、などいろんなパターンで気を付けることや上手な不満の伝え方が紹介されています。


9.『永遠の詩(2) 茨木のり子』茨木のり子

同じ世代だったらきっと「金八先生」でおなじみの「自分の感受性くらい」の詩が掲載された詩集です。

読書の幅を広げたくて、初めて詩集を買ってみました。とてもよかった。

短い言葉で色々な情景を想像させられドキッとする言葉もあれば、涙が出そうになる言葉もあります。普段つい「先に先に」と急いで本を読んでしまう私には「日本語を味わう」時間自体がプレゼントでした。日本語って美しい(どんな言語も美しいのだけどね)。

・私が一番きれいだったとき
・自分の感受性くらい
・倚りかからず
・(存在)
・時代遅れ
・落ちこぼれ
・吹抜保

上記は私がお気に入りだった詩です。
おすすめの詩集があれば教えてほしいです。来年はもっと詩を楽しみたいな。


10.『モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語』内田洋子

イタリアに住む内田さんが、たまたまヴェネツィアの書店で知った、山あいの小さな村「モンテレッジォ」。
本の行商人だったかつてのモンテレッジォ人はイタリア中に本を届けたんだそう。

内田さんの心の動きと、ダイナミックに展開する実際のストーリーにどんどん引き込まれていくノンフィクションです。
こんな風にご縁がつながって一冊の本ができて、その本を読む機会に恵まれてラッキーでした。

所々イタリアの写真が出てくるので、それを見るとイタリアにいた頃を思い出します(大学時代、外国語大学でイタリア語を専攻し、ボローニャ大学に留学していました)。

毎日仕事をして、日本で暮らしていると、「お金」「将来どうする」「SNSでの見栄え」…と、なんていうんだろう、資本主義的な、目の前の利益を生むことを考える時間がどうしても多くなってしまって…
でもこの本に出てくる人々は、「地域」「祖先」「家族」を、より大切にしている気がして、そういった価値観や一見役に立たないけど人生にとても大事なものを忘れずに生きていきたい。少なくともここに時々戻ってきたいなぁと、そんな気持ちを思い出させてくれた本でした。(別にイタリアは理想郷じゃないし、もちろんそこなりの「現実」はあるけど)

本棚に入れておいて、たまに心をイタリアに連れていきたい。


2022年 読書の振り返り

去年は「200冊読む!」と数の目標を立てて、大量に読んだのですが、結果うっすい読書になってしまっている気がしました。
そこで今年は「骨太な本を、量は気にせず読む」という方針で読書したのですが、思っていたような骨太な本はあまり読めず…。

去年より100冊ほど減りましたが、数を追って内容が薄くなるより良かったかな

結局ライトなビジネス書や小説が多かったです。
それはそれで楽しい読書体験なのでいいのですが、2023年はズバリ、もっと古典を読みたい

1ヶ月に1冊、といきたいところですが、1ヶ月って思ったより短いので、2ヶ月に1冊はしっかりした古典を読むのを目標にしようと思います。それ以外の読書数は気にしないようにして、マイペースに読書を楽しみます。

人類の叡智を吸収する一年にして、ちょっとは賢くなるのだ〜。


最後に

この記事は、『読みたいことを、書けばいい。人生が変わるシンプルな文章術』を参考に、途中まで起承転結を意識して書いてみました。
1冊目終えたくらいで、疲れて、Instagramで紹介した本はほぼそのまま再利用してしまいました。

文章書くって、いやー、むずかしいですね。
でも今の自分を記録しておけるからうれしい。

いつか面白い文章を書けるようになるためにも、2023年もたくさんの文章に触れたいと思います!以上!


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?