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Early Education: 算数を学ぶ時に、指で数を数えるのは良いのでしょうか?

初出 2017/07/05  Blogger「PonoLipo 子ども Lab」

Early Education: Is it okay for children to count on their fingers?

New research shows using fingers may be a much more important part of maths learning
than previously thought.

https://www.sciencedaily.com/releases/2017/06/170623100416.htm

Date: June 23, 2017
Source: Frontiers
Summary: Is it OK for children to count on their fingers?
 Generations of pupils have been discouraged by their teachers from using their hands when learning maths. But a new research article shows using fingers may be a much more important part of maths learning than previously thought.


 Sheffield Hallam UniversityのTim Jay教授と独自に研究を行っているJulie Betenson博士の共同研究により、手の指を使って数を数えることが、初期の算数学習に効果があることが実証されたとのことです。算数の授業では、数字で考えを進めるようにと、指を使って数を数えることは、余り良くないことと長年信じられてきましたが、数字を使ったカードゲームなどに加えて、手の指で数を表したり数えたりするトレーニングを取り入れることで、大きな効果が生まれるということです。

 137人の6才から7才の小学校低学年の児童が、4つのグループに分けられて、それぞれの算数の理解度が測られ比較研究されています。通常の算数の授業に加えて、数字のカードを使うドミノなどのナンバーゲームを取り入れているが、指で数を数えるトレーニングを取り入れなかったグループ、指で数を数えるトレーニングとゲームの両方を取り入れたグループ、指を使ったトレーニングのみを取り入れたグループ、通常の先生の授業のみのグループという4グループです。手指のトレーニングのみ、ナンバーゲームのみの2グループとも通常授業のみのグループよりも算数の理解度が高かった上、ゲームと手指のトレーニングの両方を取り入れたグループが、他に比べて顕著に算数の理解度が高い結果となったということです。

 手指のトレーニングというのは、先生が数字をカードや声で示した時に指でそのナンバーを作って掲げるとか、数字カードのナンバーを自分の指でなぞって声に出して読むなど、とても簡単なものです。

 ご家庭で、数にちなんだゲームを楽しんだり、数字のマグネットやカードなどを指でなぞったり、数に合わせて手指を動かして数を表現する遊びなどを日常取り入れていけば、算数学習の最初のステップがとてもスムーズになるのではないでしょうか。

  前回100まで数えられるし数字も書けるし簡単な10までの足し算もスラスラ解けるのに、実際のものを数えたりリアルなものの大きさや重さをイメージできないお子さんを時々見かけるというお話をしましたが、こうしたお子さんは、実際に身体や手指を使って数に親しむ体験が不足している場合が多いようですから、
日常のお買い物や料理、お掃除などの家事のお手伝いという場面の中で、「数を数えて整理して仕舞う」「均等に取り分ける」「長さや重さを計る」「種類ごとに分類してまとめたり並べたりする」ということを、少し大人の方が数字を意識してさせるだけで、数字と現実の意味が繋がっていきます。

 スーパーやコンビニなどにお買い物に行った時に、お菓子の売り場で、いろいろな商品の種類の数を数えたり値段や重さを比較したりして、食べたいのはどれか?お得なのはどれか?など、とりとめないおしゃべりの感覚で楽しくワイワイ会話することも、その子の「意識して数字を見る」という回路を開きますので、試してみて下さい。

 お家の中で、お出かけ先で、街で見かける看板や標識などに数字を見つけたら、何の数字か話し合うという「数字を探せ!」というようなゲームを日常に取り入れても良いでしょう。この場面で、そのゲームは危ないとか迷惑になるとかいう時には、「やめて!」『危ない!数字はもういいから!」などという突然の禁止や命令の言葉ではなく、「ここから見つけた数字は黙って覚えておいて、後で”いいよ!”と言ったら、お互いに報告することにしよう」とか「危ないから数字は忘れて”ここからは周りをよく見て歩く”をするよ!できるかな?」とか、ゲームモードを切り替えるお声掛けを工夫すると良いと思います。

 日本の知育や学校教育が、座学主体で教え込む形のものが多いということを考えると、家庭では、なるべく楽しく体を使いワイワイ会話しながら遊んだりゲームをしたりという形でサポートしていくのが良いと思います。

 すごろくやトランプなどの数字に親しむゲームは、昔からお馴染みのものもたくさんありますので、ぜひ家族で楽しく過ごす休日などに取り入れて、大人も、子供と一緒に楽しく遊んで下さいね!


Story Source:
Materials provided by Frontiers. Note: Content may be edited for style and length.

Journal Reference:
Tim Jay, Julie Betenson. Mathematics at Your Fingertips: Testing a Finger Training Intervention to Improve Quantitative Skills. Frontiers in Education, 2017;
2 DOI: 10.3389/feduc.2017.00022

Cite This Page:
Frontiers. "Is it okay for children to count on their fingers? New research shows
using fingers may be a much more important part of maths learning than previously thought."
ScienceDaily. ScienceDaily, 23 June 2017.

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