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コスメブランドとパーソナルカラー戦略について〜得意なブランドがある?!〜

(2023.7月 内容一部改訂しています)

今日は「パーソナルカラー」という令和の新しいブーム、美的感覚、お洒落の指標についてコスメブランドはどう捉えているのか?
ふと気になったので書いてみたい。

ズバリ「パーソナルカラー」を取り入れた戦略を取っているのか?取っていないのか?
その差は何なのか?共通点ってあるのか?
知っておくと、コスメ選びに役に立つかも?!

❶コスメブランドのインスタライブでよく見かける光景

私は新作コスメの発表時にはなるべく「ブランド公式のインスタライブ」をチェックするようにしている。

ライブ参加者は自由にブランドの方に質問コメントができるのだが、そこでよく見かけるのが

『この商品はイエベ/ブルベでも使えますか?』
『この色味はイエベ/ブルベには難しそう…』

『(モデルさん)はイエベ/ブルベですか?』

さらに
『イエベ秋なんですが、今回の色味は青みや明るさが強い感じがして合わないと思うのです』

パーソナルカラーに関しての質問、コメントが出てくる事が多いんです!!
(時に寸評的コメントも出る…)

パーソナルカラー概念をメイクに取り入れたい方、知りたい方は多いという事を肌で感じるのだが、ブランドによってはその受け応えを「あえて濁しているな〜」と感じることもあるのだ。

❷全64ブランド調査!パーソナルカラー概念を取り入れているコスメブランドはどれだ?

ぶっちゃけ、コスメブランド側はこのパーソナルカラー文化をどう受け止めているのだろう?

日本のコスメブランド、日本のデパートに出店している人気のブランド64を取り上げ勝手に調査してみた。

(◯は有、は公式サイト以外の媒体での言及)

公式サイトを調査。

「カメラでパーソナルカラーを診断できる」ものから「ブルベ、イエベ向きのカラーチャート」という形でコスメを分別しているものまで幅は広いが、

判定方式の違いは問わないが、「ブルベ(青み、クール)」「イエベ(黄味、ウォーム)」にはっきり言及しているものは「該当有り」と判断した。(見落としてたらごめんなさい)

いかがだろう?
思っていたより多いですか?
少ないですか?

❸「パーソナルカラー」概念を取り入れてます!派のブランドって?!

◯キーワードは『プチプラ&セルフショッピングスタイル』


何と12/16の割合でドラッグストアやバラエティーショップで手軽に購入できるプチプライスブランドが多数を占めた。

これらは主に自分で商品を吟味して買うスタイルのブランドである。

専属BAさんが居ないブランドも多いため、診断機能やカラーチャートを積極的に使いながら「パーソナルカラー」のニーズに応えようとしているブランドが多い。

・『わかりやすいアイテム、定番』
プチプライスブランドはもともと「自分で吟味する」ため色展開や配色に「わかりやすさ」「定番性」を訴求する品が多い。
コスメやメイクにそこまで興味がない人も含めて気軽に手に取ってほしいからだと思う。

パーソナルカラー概念を取り入れていたとしてもそこに大きく変わりはなく、割と素人目にも
「ブルベ向きだな」「イエベ向きだな」とわかるものが多い。

・『コツコツヒットを稼ぎたい』
どんな客層であれ、
「良いものを作れば口コミでヒットしやすい」という事がわかっているため、
いかに「人々や時代のニーズ、トレンドを捕まえるか」に重きを置いている。

◯ブランドがパーソナルカラー戦略を取り入れるメリット

上記でも述べたように、
「今の自分に似合うものが知りたい、欲しい」という時代のトレンドに応えることで、ヒットの確率を高める

・「ムダ買いをしない消費者」
パーソナルカラーを気にする理由の一つに「似合わないものを買って無駄遣いをしたくない」という賢い消費者の購買心理が考えられる。

固い財布のヒモを開かせるにはどうするか?

「あなたの似合う色みつけます!」
「あなたにはこんな色が似合います」

「パーソナルカラーのメリット」を訴えた上で「自分に似合う買い物の成功体験」をしてもらう事で、また次の購入につなげる事ができる。

以上より
パーソナルカラー概念を積極的に取り入れているブランドは

★パーソナルカラー初心者〜向け
(自分の属性に合うものを選びたい、薦めてほしい)
★コスメはコスパ重視
(似合わないもので失敗するのは無駄と思う)

の方に向いていると考えることができる。

❹知ってるけど、特にパーソナルカラー推しはしてません!派のブランド

◯あえて推さない理由って?!

・カラー協会、ファッション業界(洋服など)のトレンドとの連動性を重視している、本当の「流行」重視

・日常使いもできるが、少し人とは違う個性・特別感も大事にしている。
意外性や「わかりにくさ」を敢えて取り入れる一面がある。
(普段は選ばないものでも挑戦してみてほしい)

・コスメやメイクとは「なりたい自分を叶えるためのツールである」と考えている
(似合う色より、まずはあなたの感性や好きを大事にして下さい)

・獲得したいのは「ブランドの世界観」を好きになってくれるコアなファン

以前に「顔タイプ別コスメブランド」の記事でも書いたが(下参考)、そのブランドが提示するコンセプトや独自の世界観に共感してくれるファンを増やすことに重きをおく。(世界観>パーソナルカラー)

◯どんなブランド?共通点は何?

・デパコスなどやや高価なブランド多い。専属BAさんやMAさんがいる。

・相談やアドバイスを受けて選ぶ事もできる

・プロ仕様向け、それに耐えうるブランド
(メイクのプロのニーズに応えるべく、豊富な商品展開を誇る)

・監修者の顔がわかる、有名メーキャップアーティストさんが監修している(プロの視点を取り入れている)

使う人(パーソナルカラー)をあまり選ばずに使える事が大事。複数の使い方の提案もできる。

以上より、
知っているけどあえて概念は推していないブランドは

★パーソナルカラー中級者〜上級者
(自分の属性や苦手を把握した上で、敢えて「自属性から外れている」コスメにも挑戦したいと思う人、パーソナルカラー以外の総合的イメコン診断も受けている人)

★メイクやコスメがもともと好きな方、パーソナルカラーをあまり気にしない方
(気がついたらコスメが増えていたり、BAさんに相談したり、自分でメイクを創意工夫するのが苦にならない)

に向くのでは?という見解に至った。
ではこれらの傾向を踏まえた上で、
「(自称)パーソナルカラー中級者」の私からみたそれぞれの注目ブランドを挙げて見たい。

❺パーソナルカラー推し派の注目ブランド4選


①韓国コスメ(rom&nd、ETUDE他)
お若い方にも「イエベ/ブルベ」が浸透したのは「韓国コスメブランド」の影響がかなり大きいと考える。

「カラーリスト」が立ち上げた「rom&nd」、ドレープを使ったパーソナルカラー診断を取り入れている「ETUDE」はその筆頭格。
他のブランドも「COOL/WARMのトーン」がわかりやすい品が多い。

パーソナルカラーを失敗なく取り入れたい方に、値段も手頃な韓国コスメは魅力的だろう。

②資生堂(マキアージュ、マジョルカマジョルカなど)

日本の最大手ブランドはパーソナルカラーをバッチリ取り入れた診断ツールと、「スーパーBC(ビューティーコンサルタント)さん達」の提案力で、パーソナルカラーを取り入れたメイクを発信しているのをご存知だろうか?

この方の他に、何と4シーズンのパーソナルカラー属性を各BCさんが公開&資生堂ブランドの中からアイテムを選んでメイクを提案しているTwitterがあるという!!さすが資生堂…

③KOSE(ヴィセ 、リンメル、ネイルホリック)

大手の中ではここもパーソナルカラーを取り入れた戦略を取るブランドの1つではあるのだが、その中でも面白いのが「ネイルホリック」。

指先さえもパーソナルカラーで染めよう」という戦略をカタチにしているのが面白い。

そして「バーチャルメイク」ならぬ「バーチャルネイル」も面白いので是非こちらも試してほしい。 (こちらのサービスは2023年で廃止になりました)

また公式サイトでは、ファッションテイスト別のネイルシリーズの紹介もされているので、そちらも併せて参考にされると良いと思います。

ネイルホリック公式サイトより

④FAVES BEAUTY

パーソナルカラー概念に特化した日本では珍しいコスメブランドであり、サイトで診断後はまるっとパーソナルカラー属性に合わせたコスメが買えてしまう。


❻あえて推さない派の注目ブランド5選

①フーミー
人気メイクさんのイガリシノブさんが手掛けるブランド。
イガリさんの自由で既存概念にとらわれない発想がそのまま出ている。

公式インスタではよくスタッフの皆様方が代わる代わるメイクをして登場するが、
「色々なタイプの人が同じコスメでメイクした時にどう見えるか?どんな人でも肌色でも問わずに似合う、挑戦できる」という見本を示すために敢えてそうしているとの事。

これだけコダワリがあるのに、プチプライスなのも嬉しい。


②OSAJI



もう散々推してますけどwOSAJI。
肌なじみや美しくみせるための小技を計算して仕込んでいるブランド。
よく聞くのは「反対色の小技」や「透かし」のギミック。
「青みの色にゴールドパール」「黄味の色にシルバーパール」など相反する色要素を仕込むことにより、どんな人でも使いやすいようにする意図があるらしい。
「パーソナルカラーのセオリー」をしっかり踏襲したい方にはあまり合わないかもしれないが、このブランドだから冒険したい色もある。

③エテュセ
リニューアルが大成功したと思うブランド。
プチプラ&資生堂系列の中で「パーソナルカラー問わずに使える」というコンセプトを前面に出したリップアイテムを発売→ヒットさせている。
プチプラ&資生堂路線の中で、いい意味で立ち位置が異なると思うブランド。

キャッチコピーは「今から変わるよ。なりたい私に」👏



④N by ONLY MINERALS

(⚠️こちらのブランドは2023.7月時点におきまして公式サイトでも現存はしていますが、ディレクターの長井かおりさんは既に辞めておられ、新作の発表も確認しておりません。なお、退任される際に長井さんが携わった品は現在庫で終了するという(新たに在庫の増産をしない)見通しを長井さんご自身の動画でお話しされていたので、ご興味ある方はサイトを確認の上、お買い求め下さい。
この修正時点では在庫を確認しました。
ブランドからのお知らせはこちらから)

こちらも人気のメイクさんである「長井かおりさん」が手がけたブランド。BA時代からのお客さんに施してきたメイクの経験則を活かして計算して作っているそう。
「メイクはなりたい自分を叶えるツール」という視点で開発をされているのがよく伝わる。


⑤UNMIX

こちらも「キッカ(CHICCA)」を手掛けたことで有名なアーティストの吉川康雄さんのブランド。
ブルベイエベではなく、その人の素肌を個性としてそのまま引き出す事にこだわる吉川さん。肌馴染みの良さの追求や、くすみの美、その人の肌によって変化する色を楽しんでほしいという姿勢。
パーソナルカラー概念関係なく自分を肯定できるコスメブランドだと思います。
この春から新作が次々リリース予定!


◉まとめ

いかがだっただろうか?
パーソナルカラー概念は大手のブランドやプチプラのブランドが積極的に取り入れている傾向があるが、思ったより少ない印象。
(逆にランコムやYSLが取り入れてるのは驚いたが。)
迷いがちな人には↑のコスメブランドが良いと思われる。

正直、日々の生活のメイクシーンの中で「迷わない」「失敗しない」のはパーソナルカラーを活かしたコスメだと思う。
悩んだり考えたりする労力要らずなんだが。

ある程度、パーソナルカラーに準じて買い揃えると似た色ばかり集まってくる

飽きるんですよw

毎日同じ顔や色ってツマラないと思うんです。

洋服を着替えるように、メイクも着替えて気分転換したり、使える色味に幅を持たせるのも損にはならないと思うので、あえて挑戦をしたい時には今回挙げたようなブランドはいかがでしょうか?

勿論好きなブランドの好きなコスメを買えば良いと思います。
しかし、両者の特性を知った上で上手く使い分けると、なおコスメ選びが楽しめると思います。

読んで頂きありがとうございました。

◉オマケ:パーソナルカラー別得意なコスメブランドマップ


↓あくまでもプロがまとめた私見らしいですけどw
KOSE系列はブルベ得意だと思います(私の個人的な見解)

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