安全すぎて、綺麗すぎる環境で、誉められながら育つかわいそうな子どもたち。
最近は保育園の問題や虐待、保育士に対する偏見などが増えていると思いますが、
今日は保育士の話を聞いてください。
私は保育士をしています。
最近は特に虐待問題があり、子どもに対する言動にはみんな注意を払っています。
ニュースで“宙吊り“をした保育士が逮捕されて以来、子どもを抱っこしてブラーんとする遊びとかもしなくなりました。(子どもはこの遊びが好きだけどね)
両手を繋いで子どもが大人の体を駆け上がって一回転する遊び、知っていますか?
この前それをしていたら、ちょうど宙吊りの姿勢でわざと子どもが止まって、
「いやそれはやめよう」ってめっちゃ焦って下ろしました。(笑)
まぁ、子どもたちが楽しんでいる表情を見たら理解してくれるんだろうけど、
部分部分を切り取られて変なふうに解釈されたらと思うと、自分にとってリスクが多すぎて、いろんな楽しい遊びを躊躇するようになってしまった。
叱るときもきつい言葉は使わないように、これは脅しになっていないか、など色々と考えてしまいます。
もちろん保育士はプロです。
怒ったり脅したりして子どもを動かすなんて全然プロのする仕事じゃありません。
いつも朗らかで、元気で、笑顔で、前向きで、
保育士はそんな人であってほしい、そうあるべき。
それもごもっともです。
みんなよーくわかって仕事をしています。
だけど言い訳をさせてください。
保育士も人間です。
人間のキャパは無限ではありません。
1人で30人以上の子どもたちを怪我なく過ごせるように見ていこうと思った時に、
楽しい活動だったらそれもうまくいくかもしれません。
自由遊びだったらまだ大丈夫です。
しかし、保育園は集団生活なので、一人一人が一日中自由に動ける訳ではありません。
給食の時間があり、
お昼寝の時間があり、
お話を聞く時間がある。
子どもたちの生活リズムを整えたり、
心と体の健康を守っていくために必要なこととしてそれらの時間があります。
時間通りきっちり動けとは言いませんが、
ある程度の約束事は守ってくれないと
他の子どもたちに迷惑がかかったり、
それこそ怪我に繋がったり、
他の業務が何もできなかったりして、本当に困ってしまうのです。
そして結果叱ることになる。
叱られて初めて話が聞ける。
そんな子どもが多くて私はとても悲しい気持ちになります。
そして毎回自己嫌悪になります。
きつい言葉で怒られる→怖いから言うことを聞く
この現象があると
子ども=怒られなければいい、怒られたらやめる、怖くないから聞かない
大人=怒ればいい、怒れば言うことを聞く、聞かないならさらに強く怒る、怒鳴る
ということをそれぞれ学習して繰り返してしまいます。
実際に、1人の行動をじっくり時間をかけて説得したり理解できるように話をしたりする時間があれば理想的なのですが、私の職場ではそれが出来るほどの人的余裕がありません。まずは保育士を増やせばいいと思いますが、それは自分達の力ではどうにもなりません。
そこで、
私が思うことは、
家庭での教育を、もう少し頑張っていただきたい。
と言うことです。
保育者だけでなく、
親御さんも叱らない家庭が増えているのだと思いますが、
子どもの意見を尊重して育てることと、
なんでも子どもの言いなりになることは全く違います。
お迎えの時間に周りに迷惑をかけている子どもを放置している保護者の方が多く、
保育士が注意してやっとおさまる。
と言う場面もとても多く見られます。
「先生に怒られるからやめな」
と言っている親御さんの姿も見られます。
先生に怒られるからやめるんでしょうか?
褒めて育てることは私も大賛成なのですが、
保育者だけでなく
子どもと関わる全ての人に言いたい。
子どもの考える力をもう少し信じてあげましょう。
そして
子どもたちを、自分で考えて行動できる子にしてあげられるのは、
私たち保育士ではなく、
一生側で関わっていく家族の皆さんです。
叱らなくても良いので、
きちんと話してあげてほしい。
子どもはわたしたちが思っている以上に賢いです。
今は理解できなくても、
いつかわかってくれます。
保育士に対する不信感など高まっているかもしれませんが、
子どもたちを中心にして
みんなで一緒に教育、保育について考えていける世の中になれば良いなと思います。
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