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彼の余白に居られる私を描くことこそが二次創作なのかもしれない

みなさんこんにちは、ぽんももたろうです。
私はがガチ恋しているキャラクターのぬいぐるみと二人(?)で暮らす独身女性です。
乙女ゲーム出身の彼に対してかなり本気で恋する私にとって、乙女ゲームの主人公は実質ライバルのような存在(そんなステージにあがれていないのですが)です。
そのため他の方の書いた主人公と彼の創作を楽しめるものの、自分がそれを作ることは精神的な痛みを伴うものになってしまったと、いうのが前回の記事(https://note.com/ponmomotaro/n/nc59df7797b49)の主な内容でした。
この記事は私が考えていたよりも多くの方に読んでいただくことができた記事でもあります。嬉しいことに記事について言及してくださる方もちらほらといらっしゃり、それを読んでうんうんと私も頷くばかりでしたが、その中でいくつか見かけた感想として「わかります!私は二次創作できないけど」というものがありました。

もちろん、みんな二次創作をしろ!なんて言うつもりは毛頭ありません。その上で、もしも「やってみたいけどできない」と言う方がいらっしゃるのだとしたら、ガチ恋の救済として二次創作を嗜んでいるものとして私の中の二次創作の作り方とその立ち位置についてお話しできたらと思います。

二次創作は、小山(2013)によれば原点となる創作物から登場人物(キャラクター)や世界観などを借りて創作した創作物とされています。ですから、世界観のみ借りても、キャラクターのみ借りてもそれは二次創作ということになります。
私が好きなキャラクターの住む世界は、今私の住んでいるこの世とそんなに乖離はないので創作する上であまり難しさはないと言えるでしょう、しかし複雑な世界観を背景に持つ人が好きなのだとしたら?それってすっごい難しいのかも?と思われる方もいるかもしれません。でも、安心して欲しいんです。キャラクターを借りるだけでも二次創作と言うのは成り立つものなのですから。
そもそも今大好きな彼(もしくは彼女)がいる方は、すでに二次創作をする下地を持っていらっしゃるともいえると考えています。

例えば、貴方の好きな人に「今日は涼しいね」と声をかけたらなんと言うと思いますか?
優しく「本当だね、急に秋が来たみたい」と笑う人でしょうか?
フンと鼻を鳴らして「別に」と言われるでしょうか?
ポカンとした顔で「そうかー?全然だけど」と首を傾げそうでしょうか?
それぞれの反応がなんとなく頭に浮かんだと思います。それに対して貴方は何か言葉を返すでしょうか?それとも黙ってしまいますか?ここから先を考えていくと段々と好きな人と貴方のやりとりが進んでいくはずです。
これが私の思う二次創作です。これでいいんです。それを絵や文章にするしないの差はあれど、頭の中でこれが思い浮かべられればそれはもう創作が出来ていることだと考えています。
何か形にしてみたい!と言う方はぜひその会話だけでも文字に起こしてみてください。好きな人の表情が思い浮かんだらそれもメモしたり、仕草も思いついたらさらに書き足して、例えば場所なんかも書き加えたらどんどん話として完成されていきます。季節、時間、温度、聞こえてくる周りの音、体に感じる感覚、言葉を受けた時の心の動き、そう言うものを書き足していくだけで頭の中でなんとなく大好きな人と話していた会話が作品として形になっていきます。

創作ってこんな感じでもいいと思うのです。気楽に書いて後で自分で読む、自分の考えた話が恋に悩む自分を助ける瞬間が来ることもあります。私が好きな彼との小説も「私のこと彼は好きではないんだ!」と落ち込んだ時に読むと沁み渡る気がします。そうだよ、確かに私は彼とこんな話ししたもん。なんて思えるのです。
まるでリアルな恋をする友達がインスタで惚気ストーリーを載せているように、私も私にしか見えない場所ではありますが(時折見える形で投稿することもあるけど)彼と私の小説を記録しています。彼女たち同様、彼との関係に悩んだ時に幸せなそれをみることで「私と彼はこんな瞬間もあったんだよね」とその時の気持ちを思い出すツールになっている訳です。

私にとっての二次創作は、原作で見ている彼の人生の余白に私を生きさせることだと思っています。彼の人生のどこかに私がいるかもしれない、と考えるだけで幸せになれる瞬間もあるから。そして、その幸せな瞬間を残しておくことで辛い時期を乗り越えることができるからです。
なので、創作してみたいけどできないかも、と思っていた方は是非トライしていただけるといつかガチ恋に苦しむその時を救ってくれるかもしれません。
生きようね、ガチ恋道を。

引用文献 小山友介,2013,初音ミク――N 次創作が拓く新しい世界,システム / 制御 / 情報 : シ
ステム制御情報学会誌 57



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