うろ覚え書評第16回 日本政治思想史[十七~十九世紀] 渡辺 浩 著
テーマ:弱者男性としての下級武士・日本への預言?
教科書のようなタイトル、さらに版元が東京大学出版会と、非常に敬遠されそうな本だが、かなり読みやすく、さらに極めて面白い本だった。
江戸~明治初期の政治思想家とその主張(荻生徂徠・本居宣長・福沢諭吉etc)を追いながら、「なぜ長らく安定していた江戸幕府は、ペリー来航からたった十数年で大政奉還に至ったのか?」という疑問に答える本である。
その基本線に沿いながらも、江戸の興味深い思想や、江戸の人間の性規範を取り上げていくという