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【ショートショート】斉藤に涙す【二億斉藤】

   斉藤に涙す

 西暦二〇××年、日本は戦争の真っただ中にあった。
「伝令! 西の方から鈴木軍ではない第三勢力が進軍!」
「何だと、どこのものだ!」
 佐藤軍の首領は双眼鏡で第三勢力の様子を見た。旗に「二億斉藤軍」とある。思わず首領は双眼鏡を投げ捨てた。
「斉藤なんざ、三十万人位しか存在しない弱小苗字ではないか!」
「それが……斉藤と斎藤と齋藤と齊藤が集まって連合軍を」
「全部同じじゃないか!」
「敵がすぐそこまで――」

 こうして、日本は斉藤に統治されることになった。
 しかし権力を握った斉藤をよく思わなかった齋藤が斎藤と結託したのを齊藤が斉藤に伝えたことにより戦争が始まった。斉藤が斎藤を討ち、不利になった齋藤は斉藤に許しを請うたが斉藤はそれを許さず、見かねた齊藤が齋藤を遠方の斎藤自治領に逃がし、これに怒った斉藤が齊藤を処刑し仇討ちに挙兵した齋藤と斉藤の戦いに、多くの民が涙した。齊藤の民。戦場となった町の人々。そして未来の受験生……。



 毎週ショートショートnote
 お題「二億斉藤」
 文字数408字


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 人生で初めてnote記事の販売をします。
 ファンタジー創作「ナナシノ魔物退治屋」ができるまで、の制作過程をまとめたものです。よろしくお願いします。

気の利いたことを書けるとよいのですが何も思いつきません!(頂いたサポートは創作関係のものに活用したいなと思っています)