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【ショートショート】ほぼ変化しない構図【宝くじ魔法学校】
ほぼ変化しない構図
無職の男は、楽して金を稼ぎたかった。そんな彼のところに一人の女が訪ねてきて、一冊の資料――「宝くじ魔法学校」の資料を手渡した。
卒業生の声では「ここで学んだ魔法で悠々自適の生活」という内容が表現を変えて並んでいる。男は生唾を飲み込み、女の進め通り入学を決意した。
数年後。
宝くじ魔法学校を卒業した男は、まず公園でカエルを捕まえ煮溶かした。その液体に浸した「参億円」と書いた御札を川に流す。その足で宝くじを買った。
カネは現代社会における魔法。それを一気に手に入れる方法は宝くじしかない。男は高い授業料を支払い、宝くじを当てる魔法を身につけた。
しかし、いざ蓋を開けると実際に当たったのは千円。男は怒り狂って学校に突撃。見れば卒業生が何人もいる。
校長は耳の穴をほじりながら、かつての教え子に答えた。
「大多数の凡人が一気に魔法を発動させたから、効果が分割されたんだね。その証拠に、ほら、私はきちんと三億円を当てたから……」
毎週ショートショートnote
お題「宝くじ魔法学校」
文字数405字
気の利いたことを書けるとよいのですが何も思いつきません!(頂いたサポートは創作関係のものに活用したいなと思っています)