【ショートショート】おまえも【白骨化スマホ】

　　　おまえも

　白骨化スマホに触るなよ。
　使った人間は呪われる。
　スマホを手放せなくなって、
　気づけばおまえも……。

「はいはいくだらない」
　電話の向こうでタカシは笑った。
「嘘じゃないんだ！　実際何人かが白骨化スマホの餌食に」
「へーすごーい」
　話にならない。タカシは最近スマホ中毒になりつつある。最近機種変したとか言ってたし、もしかしたら白骨化スマホの呪いを受けているのかもしれない。
「どっちにしろ、お前のスマホに対するのめり込み具合はおかしいよ」
「はいはい。切るよ」
　プツッ、ツーツーツー。頭に血が上る。俺は通話が終わったスマホで早速Googleを開く。如何に白骨化スマホが危ないのか、タカシに説明しないとならない。俺はスマホで情報を集める。脇目も振らずにひたすら、飯も食わず水も飲まずスマホを操作して……。

　暗闇でディスプレイがぼう、と光る。タカシ、という名前が目立つ。着信音が静かに流れる中、白骨死体は静かに横たわる。

　毎週ショートショートnote
　お題「白骨化スマホ」
　文字数404字