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Netflixで見られるM-1名場面①「史上最高の大会」2019

M-1。それは漫才師さんの頂点を決める、お笑いファンにとってはオリンピック同然の一大イベントです。
一夜にしてスターが生まれたり、たった1点、1票で人生が変わったり。毎年様々なドラマが生まれます。

前回に引き続き、「好きなものをシェアできるって素敵だなあ」ということで、今回はそんなM-1の名場面を勝手に紹介したいと思います!

一度では紹介しきれないので、今回は史上最高の大会と言われている2019年に絞って紹介していきます。
記憶に新しい方も多いかと思いますが、お笑いはそこまで頻繁に見ないという方にとっては、わざわざ見返したりしないことが多いのではないでしょうか。
そんな方にもぜひもう一度見ていただきたい名場面4選です!

1.完璧すぎるすゑひろがりずの登場

まずは、古語漫才で有名なすゑひろがりずの登場です。
M-12019を見た方はたくさんいらっしゃると思いますが、ネタ順を覚えている方はどれぐらいいらっしゃるでしょうか。

まず、トップバッターはニューヨークでしたニューヨークらしい少し毒のある漫才、審査後のダウンタウン松本さんとのやりとりが本当に面白かったです。場の雰囲気もこれ以上ないぐらいに温まりました。
そして2番手かまいたち、3番手和牛
実力派コンビの連続、爆笑の連続、高得点の連続。
この直後にネタをやりたい漫才師さんなんているのでしょうか。

「この後やる人が可哀想」
誰もがそう思ったであろう4番手に選ばれたのは、すゑひろがりずでした。
鼓を持って、狂言のような口調で見たことのない漫才を繰り広げるお2人。
「おぬしはたそ!」「関白だーれぞ!」
狂言にあまりにも似合わない合コンという設定で次々と飛び出す古語が面白くて面白くて、前のコンビと比べることなく大笑いしていました。

実力派コンビが王道漫才を披露した直後だったからこそこの変化球が大ウケし、そしてこの変化球を挟んだからこそその後の王道漫才を再びフラットな状態で見られたのではないでしょうか。

あまりにも完璧なタイミングで登場したすゑひろがりずに1度目は何も考えずに大笑いしていましたが、見返せば見返すほどこの順番の奇跡に感動してしまいます。

すゑひろがりずの笑神籤が引かれたシーンから、多くの笑いを取って審査員さんに批評コメントをもらうまで、その一連の流れが記憶に残る名場面でした。

2.和牛の復活、ファンの力

続いては敗者復活戦の結果発表のシーンです。
ミキ、カミナリ、四千頭身などの人気コンビが名を連ねる中、視聴者投票によって選ばれたのは和牛でした。

私が感動したのは、和牛が選ばれた時のファン方々の反応です。
「決勝戦に進出できるのは…エントリーNo.4547」

もうこの瞬間、エントリーNo.を把握しているファンの方々の歓喜の声が上がっていました。
そして和牛のお2人がステージから降りると、もはや進むのも難しいくらいに多くのファンの方々に祝福されていました。

M-1の準決勝まで勝ち上がった方々ですから、皆さん面白いに決まっています。ネタを見てこのコンビ好きだな、勝ち上がってほしいなと思うコンビもそれぞれいたでしょうし、誰が選ばれても祝福されていたでしょう。また、和牛のことは知らなかったけれど面白いから投票したという方も中にはいらっしゃったかもしれません。

でも、エントリーNo.をしっかりと記憶しているほど和牛のことを大好きなファンが、あんなにもたくさん会場にいらっしゃるってすごいことじゃないでしょうか。

史上最多票を集めて勝ち上がった背景には、ファンの方々の「絶対に和牛に上がってほしい」という思いと努力があったと思うのです。そして和牛もそれに応えて最高のネタを見せ、しっかりと笑いを取ったからこそ票が集まった。
ファンの方々の「応援しながら一緒に戦うんだ」という一体感や和牛に対する強い思いが、エントリーNo.が読み上げられた瞬間に報われたのだと思うと感動します。

4年連続決勝進出を果たし、5年目もしっかりとファンの期待に応えた和牛の実力と、人一倍ファンに愛されているお2人なんだなということを再確認した一コマでした。

3.見取り図とミルクボーイの舞台裏

こちらはアナザーストーリーで映っていた舞台裏の一コマです。(アナザーストーリーもNetflixで見られます)
大会も中盤になり、暫定ボックスは1位かまいたち2位和牛3位見取り図という超実力派コンビで埋まっていました。
そこに登場したのが、今や誰もが知っているミルクボーイ。史上最高得点を叩き出しぶっちぎりの1位に立つと共に、暫定3位だった見取り図の敗退が決定します。

一番悔しいはずのその瞬間、見取り図のお2人は暫定ボックスにやって来たミルクボーイのお2人を笑顔で称えておられました。
「ほんまにすごい。感動した」とリリーさん。
「一生言えますね」
と盛山さん。

見取り図のお2人の素敵なお人柄と、笑いに命を賭けている芸人さん同士の熱くて素敵な関係性を感じるシーンに思わず泣きそうになってしまいました。

個人的には見取り図の漫才が大好きなので、いつかM-1で優勝して2人が大喜びしているシーンを見たいと心から思っています。

4.ミルクボーイ、最高の「今〇〇をいただきました〜」

最後は、アナザーストーリーのエンディングにも使われた名場面です。

ミルクボーイの優勝が決まり、一通り表彰式も終わると、放送終了直前に数秒だけコメントを求められます。
毎年、感極まりながらも芸人さんらしい素敵なコメントで大会を締めくくり、笑いと感動を誘っているシーン。
期待が集まる中、ミルクボーイ内海さんは何かを駒場さんに耳打ちします。ほんの一瞬ですが、駒場さんは全てを理解した様子でした。
そして次の瞬間内海さんがコメントを振られると、
「あ、ありがとうございます〜。ね、今、トロフィーをいただきました〜!」

駒場さんの連携も完璧で、会場は大きな拍手に包まれ最高のエンディングを迎えました。

あの日、あの会場でミルクボーイのお2人を知っていた人はほとんどいなかったのでしょう。それでも、2回の漫才で「今〇〇をいただきました〜」のくだりをお馴染みのものにして、最後に優勝者という肩書きを得てそのくだりをもう一度披露する。
もう鳥肌が立つぐらいかっこよくて、感動してしまいました。

本当はまだまだ書きたい…というよりもう全てが名場面なのですが、今回はこれくらいにしておきます。

読んでくださった方、ありがとうございます!

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