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一周する/2024年春に本を出す(第7話)

なんとか、Word原稿を一周させることに成功した。いまはカラオケ屋にいる。5時までなので、そろそろ出て家で仮眠をとる予定だ。何時まで寝るのかも決まっていない。丸一日寝てしまうかもしれない。
とりあえず一周はしたが、まだまだ書き直さなくてはならない。ルビはどうしよう。数字やアルファベットの統一、表記のゆれ、どうしよう。どうしよう。ずっと追い込まれていて、気が気でない。
ゲラになれば、少しは落ち着いて原稿も見られるのかもしれない。それでも担当の編集が「困っていることがあれば何でも言ってくれ」と言ってくれたことは救いだった。ここまでの原稿を送る。これで、なんとなくは見てくれるだろう。意外と、巻末に載せようとしている「この本に出てくる本や映画」や「参考文献」がキツいところでもある。
そして、やっぱり文章が上手くまとまっていないように感じる。エッセイではあるが、独り言がどうにも浮いているように感じる。語尾の現在形と過去形の割合も気になる。気になることばかりである。それでも進んでいることには違いない。それだけを信じて、前へ前へと進む。
編集が大変なのではなく、同時に書き手であるから難しい。悠長に編集だけをやりたいものである。そうすれば、いま使っているエネルギーや集中力をそちらへ分け与えられるというのに。
ひとりで書いて、ひとりで編んで出版する人間はどれほどスーパーだろう。信じられない思いである。

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