【前編】facebookで見つけた車を800ドル値切って買った話。
Hello Japan from Australia!
洗車でびしょ濡れになった靴が30分でカラカラのホッカホカになるケアンズからお送りしています。
【フリーター、車を買う。】
ということで、オーストラリアでのマイカー購入体験を記事にしました。
生まれて初めての車購入なのに
地元のAussieから
自分で値切って買う
という、#私だけかもしれないレア体験 をしました。
2023年1月12日現在、納車の連絡待ちなのですが、ここに至るまでの経緯をご紹介します。英語でのうまい断り文句や、ケアンズ情報も満載の前編となっております。後編が書き上がるまでには納車されていますように……!
【そうだ、車、買おう。】
まずは車を買うことにした経緯を簡単にお話しします。
今私が滞在しているのは、オーストラリアの中でもfar northと呼ばれるケアンズ。地図でいう右上の方です。
ケアンズ空港に着いた途端、目に入るのは自然豊かアピール。
空気が綺麗!星がよく見える!自然がいっぱい!
田舎への3大褒め言葉がこれほど似合う場所もない、というようなところです。
車を持たざる民の唯一の公共機関は、Sun Busと呼ばれる市バス。Cairns City周辺であれば、生活に困らない程度に発達しています。が、私が住んでいるKewarra Beachあたりでは、通っているのは1路線、そして1時間に1本。30分ほどかけてハイウェイまで歩けばもう1路線あるけど、というようなエリアです。某帝国と呼ばれる群馬県の大学生をやっていた頃を彷彿とさせます。正直、電車が通っていないので群馬県よりも移動が一苦労です。
車とバスでどのくらい時間をロスするかを、私の通勤を例にお見せしますね。
ex1:Car Rental in Cairns City
🚗💨 less than 30 min
🚌💨 1 hour (a bus per an hour)
ex2:Japanese Restaurant in Palm Cove
🚗💨 less than 15 min
🚌💨 20 min + 20 min walk
単純に倍くらいかかるんです。そして、南半球に位置するケアンズは、夏真っ盛り。さらに何がしんどいって、夏季と雨季がセットなんですよね。シェアハウスのオーナー曰く、2月頃には1、2週間雨が止まないような時もあるとか。
つまるところ、この先のバス通勤は
時間のロスが激しい上に濡れるか暑いかの2択
というわけです。
もちろんこれは時間と労力だけを見た時の話で、金銭面から見れば当然バスの方が安いです。1日乗り放題でも8.4ドルだし。
でも、「好きな時に快適に移動できる個室」の魅力には抗えず、車を買うことにしました。
【知らないものは探せない】
思い立ったはいいものの、日本ですら車を買ったことがない私は、車検やら何やら、日本で車を所有するための知識も大して持っていませんでした。レンタカー屋さんで2年ほどアルバイトしていたので、日常点検や2トントラックの運転くらいならお手のものなのに。我ながらスキルと知識が偏りすぎている……。
というわけで、ネットやバイト先の車持ちの人たちから情報収集をして、ある程度探す車の条件を絞っていきました。
ここで驚いたのが、車の走行距離。日本では10万キロを超えた車はぼちぼち乗り換えを検討するのが一般的ですが、広大なオーストラリアの地では、30万キロからが勝負。10万キロなんでまだまだ小僧っ子みたいな扱いなのです。日本車、中でもトヨタ車は長持ちすることで有名で、40万キロ超えの車でも他国製の車と比べて割高で販売されています。
個人での車の売買でチェックしていたサイトは、以下の3つ。
facebook(market place/エリア限定車の売買専用グループ)
gumtree(いわゆるジモティー)
carsales.com(その名の通り車の取引サイト)
バイト探しと同様に、条件を保存しておいて、合う車が出たら即通知が来るように設定しておきました。ちなみに、私の条件はこんな感じ。
🌟絶対譲れない条件
オートマ車(マニュアル免許持ってないので)
走行距離20万キロ前後
製造年が20年以内
RWC込み
(RoadWorthy Certificate:点検証明書。これがないとQLDでは名義変更できない)
🌟できれば
日本製
4000ドル以内
冷暖房機能
(ケアンズでは死活問題。壊れたまま売られてるのもいっぱいある)Regoあり(Registrationの略。強制保険)
愛着が湧きそうな子
案外重視しているのが最後。自分が実用性だけでは気に入らない性分なのも30年近く人間やってきていい加減気づいているので、「大事にしたくなるか」は、私にとってはかなりのウエイトを占める要素でした。
【No RWC No Rego】
タワレコのキャッチコピーではありません。安い車は大抵"as it is"の文言があり、RWC(車検)もRego(強制保険)もなしで車本体だけを売りますよ、というものがほとんど。
初めは「まだそんなにお金ないからとにかく安く乗れる車が欲しい!」というテンションで、常に最安値で探していました。ただ、1000ドルで、しかもバスでインスペクション(見学)に行ける車を見に行った時に、考えを改めることになりました。
その金額帯の車は「走れる」と記述されていたとしても、総合的にはジャンクレベルの車も多く、大抵写真のない部分には傷や凹みがあります。そして、RWCを通すために必要な修理で、結果的にはむしろ費用が嵩んでしまう場合が多いそうです。
最初のインスペでは事前に到着時刻を連絡してあったにも関わらず、出品者は結局現れませんでした。付き添ってくれたシェアハウスのオーナーと「これはダメだ」と買わないと決めてからお礼とお断りの連絡をしたら、👍のスタンプだけが返ってきました。
説明や写真の情報量が少ない投稿者は、返信も来なかったり、対応がかなり不親切だったりと、出品者の質もピンキリです。この辺りはメルカリなんかと同じですね。
ちなみに、「要らないって丁寧に断るにはなんて言ったらいい?」とオーナーに聞いたところ、以下の表現を教えてくれました。
失礼のない言い回しで気に入ったので、それ以降も多用しています。
このwhatの使い方は、こちらの記事でも解説しています。
この見学の話をバイト先の人にしたら、せめて3000ドルくらいからの車を探した方がいいとのアドバイスをもらいました。帰国する時にまた売ることを念頭において、少し高くても2年後も乗れそうな車を買った方が長い目で見たら安上がりになる、と。
実際彼女の知り合いの中には、3000ドルで買った車を6000ドルで売って帰国した猛者もいたそうです。需要と共有のタイミングが合えば、出費どころか収入になる可能性もあるんですね。そんなわけで、それ以降は3000ドル〜5000ドルくらいの範囲に絞って探していきました。
【迷走の師走】
日々通知をチェックしては遠い・RWCなし・可愛くないなどの理由で弾き、たまに「まあアリかな」と思える出品者さんにメッセージを送るも音沙汰がない、「これだ!」と思って勇んで連絡すればすぐ返事が来たけどそもそもマニュアル車だった、などしているうちに、車を探し始めてから半月ほど経って世間はクリスマスモード。
めげずに探していたものの、やはりここはfar north、なかなか日帰りで取りに行ける範囲では条件に合う車が見つかりません。同じクイーンズランド州内でも、1700kmほど南下したところにある都市ブリスベン周辺であれば、条件通りの車もちらほら出品されていました。ブリスベンまで飛行機で行って行って乗って帰ってくることも視野に入れようか、でもオンラインで失敗せず、かつ安く抑えるには、調査依頼したり相乗り募ったり、色々めんどくさいよなぁ……と考え始めていた頃です。
こういう時に、魔の手というのは忍び寄るもので、あまりに車を欲していたがために詐欺に遭いかけ、かと思えば今度は「いっそ一旦スクーターで良いのでは?かわいいのあったし!」なんて血迷ったり、精神的に文字通りの”師走”でした。雨季に濡れるのやだから車探してたのに、かわいいからってスクーター買っても何も解決しないんですけどね。それでも諦めきれなくて結局見学にまでいきました。
オーナー:Why did you go and see it though you are not gonna buy it?
なんで買うつもりもないやつを見に行くんだ
……ごもっとも!!!!
(詐欺にあった話もようやく書き上げたので、著者のぽんこつっぷりはこちらからお楽しみいただけます)
ちなみに、オーストラリアではe-scooter(電動キックスクーター)が若者の足として幅を利かせています。それらがスクーターと呼ばれることもよくあるので、区別するためか、日本で原付とか原チャリと呼ばれるスクーターは、mopedと呼ばれています。
【諦めたらそこで2022年終了ですよ】
クリスマスを目前にして2つ目のアルバイトが決まったり、年末年始に向けてレストランでの店長代理の研修があったりと、迷走抜きでも師走らしく走り回っていました。
「年内に車決めるとこまで行きたかったけど厳しいかなー…」
オーナーに呆れられつつもシティまで力不足であろうmopedさんを見学に行き、やっぱり無理があることを確かめてバイトに向かっていたバスの中。もはや習慣となりつつあったfacebookのmarketplaceをチェックしていたときのことです。
予算はオーバーだけど日本車!
ケアンズ内!RWCつき!
旅向きかつ可愛い!
She may be "the one"…!!
この子が"運命"かも…!
予算と走行距離は希望よりも若干オーバーしていますが、それ以外はギリギリ私の条件範囲内。何より、「多少条件を譲ってでも乗りたくなる子」でした。タイミングの良いことに、私がチェックした時点で投稿から1時間も経っていなかったので、善は急げと見学とテストドライブを申し込むことに。
ただ、その時点での提示金額は4800ドル。即金で払うには厳しい額だったので、最初のメッセージの時点で分割払いにも対応してもらえるかを尋ね、OKなら見学したい、と連絡をしました。
語学学校で学んだ"Would there be any chance of~?"という丁寧な依頼表現などで、私にできる範囲できちんとした言葉を心がけました。第一印象大事なのでね。
すぐ返事くれた!!!
しかも、払い終わってからの納車になるけど、分割払いもOKとのこと!
実際は1月中には払えそうな勢いでバイトしていたのですが、後々支払いを前倒しにできると言えるように、余裕を持って3月末と言っておきました。
その後もいくつかやりとりをして、翌日のお昼頃には試乗をさせてもらえることに。しかも私がバスしか交通手段を持っていなかったので、家まで来てくれるとの申し出までいただきました。そのタイミングでシェアハウスのオーナーにも車を見てもらえるので、思ってもない提案ということで、ありがたくお願いしました。
オーナーにも事情を説明すると、車が来たときに一緒に一回り見てくれることにもなり、ひと安心。オーナーから値切り方のレクチャーまで受けて、翌日を待つことになりました。
(この辺りからオーナーが「ぶっきらぼうだけど娘をほっとけないお父さん」みたいになってきています笑。)
クリスマスも終わり、2023年が視界に入ってから、ようやく試乗まで漕ぎ着けました。後編では、いよいよ試乗当日の様子や、その後の値段交渉をお話していきます。
後編はコチラからどうぞ!
I'll call it a day. Hope to see you soon!
Have a nice day.
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