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高知の地ワインをのむっ

 高知の地ワインということで、井上ワイナリーに行ってきました。香美市の小高い丘に立つワイナリーは、小規模ながらも現代的な作りで、観光客を受け入れる体勢は充分に整っていた印象です。
 せっかく訪れたので、何か代表的なボトルを1本買って帰ろうと思っていたのですが、井上ワイナリーでは醸造しているワインの銘柄がそこまで多くなく、逆に言えばシンプルであるが故に僕も迷いませんでした。
 ただ、ここからは少し僕の不満を吐露するのですが、ジャパンワインというのは往々にして日本独自品種を使おうとする癖が強く、そしてその品種が僕にはことごとく合わない。ジャパンワインは主に、甲州でよく使われるマスカットベーリーAという品種、そして、山葡萄を使うことが多い。元々赤ワインはメルローやカベルネ・ソーヴィニヨンを好んで飲んでいたせいもあり、マスカットベーリーAの味わいには違和感がある。その上、山葡萄を使用しているワインについてはあまりにも酸味が強く、飲んでて全然美味しいと感じない。どうして山葡萄をワインに使うのか。ワイン向け品種とは言えないのではないか?ジャパンワインだからといって無理して日本独自品種にこだわっているのではないか?などという疑念が浮かぶ程に、山葡萄がワインに向いているとは思えないのだ。
もちろんこれは僕の好みの話であり、全世界的には山葡萄の強い酸味は受け入れられているのかもしれない。それならそれで僕の舌が合わないというだけで終わりなのだから何も気にする必要はないのだが。だって、真庭市の蒜山ワイナリーに行った時には山葡萄100%のワインが売ってたもんね。あんな酸っぱいのが100%とか正気か?って思ったけどあんなに平然と売ってるということはやはり僕の舌が酸味に弱すぎるだけなのかもしれないし。うーん。酔ったなぁ。酔って文字書くの楽しいなぁ。

 そんなわけで井上ワイナリーの代表作を一本買ってきたんだが、これです!

稲生 富士の夢2022

 ミディアムボディの赤ワインで、品種は『富士の夢』と『マルスラン』のブレンド。
 ワインの味なんてものは往々にして品種で90%決まるもので、品種の味を知っていればワインを飲んだ時の味はほぼ想像できるものであるが、恥ずかしながら富士の夢もマルスランも飲み慣れていないというか飲んだことがない。フランス品種のマルスランはどうかとして、富士の夢というぶどうは初めて聞く。店員さんが大変丁寧に教えてくださったが、富士の夢というのは、メルローと山葡萄の交配種だという。うっ、山葡萄……と一瞬怯んだが、せっかく高速使って2時間半かけてワイナリーまできておいて何も買わずに帰るのも忍びない。代表作はワイナリーの魂が籠った生命そのもの。苦手意識を持たずにまっすぐ対面してみよう。そんな感じで1本買って帰りました。
 帰ってワインセラーで冷やし、早速飲んでみた。

ラベルはカッコ良い
濃い赤紫が山葡萄を彷彿とさせる

 香りは良く、色合いをかざしてみると濃い色をしている。まるで染料のような濃い、濃い紫色だ。これはやはり山葡萄の遺伝子を半分持つ富士の夢のせいなのだろうか?一口飲んでみると、最初にはっきりとした酸味が襲い、その後甘みがじんわりと口の中を包む。渋みは全くない。ある意味ハッキリとした味わいだ。セラーに入れたのは失敗だった。この味なら17℃ではない。白ワインのように11℃くらいまできりりと冷やすべきではないか。そう思って写真を見返すと提供温度は13℃と書いてあった。なるほど。
しかし、この味、何に合わせればいいのだろう?マリアージュは鹿肉や鳥レバーと書いてあったが、本当にそうだろうか……これだけ甘味と酸味が主張してくるなら、どちらかというともっとカジュアルな……たれの焼き鳥とか、照り焼きとか、そういうのが合いそうだなと思った。※個人の感想です。酔った。ワインは楽しいよ。

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