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ボジョレーヌーボー用の品種だろ?と舐めていた



ガメイ種。
ワイン向けブドウの品種の一つである。
世の中には、そのまま食べるのに向いた葡萄と、ワインにするのに向いた葡萄があり、これはその後者である。そして、恐らく結構な割合で皆んなが一度は飲んだことのあるワイン品種だと思われる。
そう、ボジョレーヌーボーだ。
ボジョレーヌーボーは、ボージョレ地方の新酒という意味で、元々その年のワインの出来栄えを評するためのものであったが、新酒であるがゆえの飲みやすさから日本人に受け、今ではボジョレーヌーボー全体のなんと9割が日本へ輸出されるという。フランス本国からすると、「ジャポネはなぜこんなものを有り難がってるんだ…?」と不思議がりながら輸出していただろうが、日本人はこと日本酒では辛口を好むくせにワインだと途端に渋み酸味が耐えられない為に、酸味の少ない新酒を好んで飲んだということなのだ。
そんなわけでこのガメイという品種はボジョレーヌーボーの品種として飲まれてきたわけだが、元々長期熟成(ヴィンテージ)には向かない品種だと聞いていた。2014年だとか2011年だとかそういう長期で寝かせたワインはヴィンテージワインといって、「君の生まれた年のワインさ⭐️」というしょうもない1980年代トレンディドラマみたいな台詞を吐く為に存在するワインだ。(諸説あり。要出典)
まぁつまりはガメイはそういう長期には向かない品種というわけだ。長期に向く品種というのは、ひょっとすると名前だけは聞いたことがあるかもしれないが、ピノ・ノワールだとかカベルネ・ソーヴィニヨンだとかメルローだとかシラーだとかそういう品種のことだ。

……と、思っていたのだが、どうやらガメイ種でもちゃんと熟成したやつはあるらしい。信頼できそうな酒店の主人から紹介されて買ってきたのが、このボジョレーモルゴン地方のワインである。

僕はモルゴン キュヴェ ヴィエイユ ヴィーニュ ドメーヌ ド ラ ベッシュちゃん!


見た目はくっきりとした赤紫で透明度は薄く、カベルネソーヴィニヨンかもしくはマルベックに近い色をしている。ボジョレーヌーボーと比べると本当に同じ種か?と思ってしまうほどだ。

かなり赤い。山葡萄とも近い



一口目を飲んだ時に思ったのは、「あまり極端な刺激をしない、かといってしっかりと酸味も渋みもある、そんなどこにでもありそうでなかなかない美味しさだった。成績表で例えるとオール4である。余韻は少しばかり酸味が強い。
二口目を飲むと、先程よりも甘みを感じる。口の中が酸味と渋みに慣れ、酸味とバトンタッチを交わして登場した甘みを感じさせて、その後また酸味の余韻へと戻る。なかなか表情が豊かだと思った。
品種的に渋みや酸味が強すぎないということで、今回は脂の強い牛肉ではなく鳥もも肉のソテーを用意した。皆さんはアロゼという調理法をご存知だろうか。ステーキを焼く時に直接フライパンで焼くのではなく、フライパンを傾けて肉を火から遠ざけた状態で、熱したバターソースをただひたすらにスプーンで掬って肉にかけ続け、その熱で外から内へ熱を通していく、手間のかかる調理法なのだ。今回はそんなアロゼという調理法を全く使わず、普通に焼いた。ではなぜアロゼの説明をしたのか。本番の試験ではこういった引っ掛け問題がたくさん出てくる。アロゼの説明をしたからといって、問題文を全て読み切らずに判断してしまうと、大切な1点を逃してしまうことになるかもしれない。逆に問題文をよく読めば確実に点が取れる部分なので、焦らずに落ち着いて問題文を読む習慣をつけよう。別売りの直前試験対策集を読み込むのも効果的だ(全国の書店にて販売中)。

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