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運動部と権力の縦移動

筆者は自身の経験から運動部に入ることのメリットをツイッターで何度も発信してきた。運動部に入ることで得られるメリットはとても多い。

最もわかりやすい部分で言えば体力や身体能力、運動神経を大きく向上させられる点だ。

歳を重ねてからも体力や身体能力、運動神経を伸ばしていくことはもちろん可能であるが、その人が持つキャパシティの上限を大きく伸ばせるのは10代から20代前半までである。アラサーアラフォーになり運動を行ったときに、若い頃何かのスポーツに打ち込んでいた人と帰宅部だった人とでは明らかに動きや伸びしろに違いが出る。学生のうちに自分が持つ運動能力の上限値を伸ばしていた人は、中年以降に運動を再開した時にすぐに動ける身体を取り戻すことが出来る。それに比べて若いうちの運動経験のない人は基本的な走る、飛ぶ、投げるや筋力やスタミナを1から身に付けていかなければならず、とても苦労することになる。昔取った杵柄とはよく言ったもので、若い頃のスポーツ経験はその後の人生で身体を動かす趣味や仕事に就いた時に大きなプラスとして働く。

社会人の人はわかってくれると思うが、仕事で成功している人々の共通点は”体力があること”だ。体力がない人間は男女問わずどれだけ高学歴で賢く、器用でコミュ力が高かったとしても成功することは難しい。考えてみて欲しい。大ピンチや大チャンス、ここぞという場面で24時間戦えないものが上に登れるだろうか?ピンチやチャンスで少し無理をしただけで体調を崩して寝込んでしまうものに天下を取ることはできない。若いうちに体力のキャパシティを伸ばせるだけ伸ばしておくことで、社会人になって以降にアドバンテージを得ることが出来るのである。

またこれが意外と見落とされがちな部分なのであるが、デカい声が出せるようになるというのも非常に大きなプラスである。人の声は鍛えることで大きくなり、またコントロールも出来るようになる。部活をやっている時は走りながらの声出しに何の意味があるんだよ、と思っていたが今はやっていてよかったと心底感じている。デカい良く通る声が出せることはビジネスマンとしてやっていくうえでとても有利だ。お客さんへのセールストーク、会議や打ち合わせ、様々な場面で大きな声は有効となる。

そして運動部で得られる物は今あげた身体的なメリットだけに留まらない。運動部で得られるもので最も重要なのが”ホモソーシャルのマニュアル”である。男社会での生き方に関するマニュアルをもって社会に出られるか否かはその後の社会人生活に大きな影響を及ぼすことになる。

マニュアルの内容は多岐にわたるが、基本的な部分となる大きな声で挨拶をする、遅刻しない、ロッカーや部室などを整理整頓して綺麗に保つ、といったところは運動部以外のコミュニティでも学べる場所は多くある。しかし運動部ならでは、運動部だからこそ最も効率的に学べる分野がある。その鍵となるのが学生という身分でしか発生しない”学年”という概念が産み出す”権力の縦移動”にある。

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