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一枚岩になれないロスジェネ氷河期世代

ロスジェネ世代がついにアラフィフに突入し始めたことにより、50代の”チャイルドレス”、生涯小無し率が3割に到達したことに関して書いた前回の記事に非常に多くの反響を頂いている。

圧倒的な”数”の力でこれまで日本の政治や経済の中枢に居座った団塊の世代が令和になり高齢者となった。十数年後に彼らが退場した後、その席に座るのがロスジェネ氷河期世代となる。

バブル崩壊により就職で躓き、その後に訪れた終わりの見えない失われた30年……バブル期の後始末を背負わされ、”ロストジェネレーション世代”という呼び名の通り、様々なものを失い続けてきたロスジェネ世代がついに多数派となり、政治を動かせる立場に立つ。

3人に一人は子供がおらず、生涯未婚率も高い。未来に何一つ残していくものを持たないロスジェネ世代が政治的マジョリティとなる。今まさに苦境に立つロスジェネ中年は救済への希望を感じ、それ以下の若い世代は強い警戒心を抱いている。

未来のないロスジェネが一致団結し日本の社会保障制度をしゃぶりつくし、若い世代にこれまで以上の負担や負の遺産を残すのではないか?

ロスジェネ世代の老人が圧倒的な票田をバックに政治家を動かし、政策を老人向けのめちゃくちゃなものにしてしまうのではないか?

超少子化で出生数80万人を切ろうかという若者世代は、ロスジェネが振るうであろう数の暴力に用心する気持ちを抱くことはよく理解できる。現に団塊の世代がその圧倒的な数を強みに政治に強い影響を与えている。団塊の世代が存命の間は高齢者の低い医療費負担額は維持されるだろう。

では本当にZ世代以下が危惧するような、ロスジェネが我が物顔で跋扈する未来は訪れるのであろうか?それは避けがたいものなのだろうか?

だが筆者はSNSで危惧されているほどの大きな世代間対立は起きないと予想している。何故か?それはロスジェネ氷河期世代が一枚岩にはなれないからである。

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