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ツイてないロスジェネのみんな、野球みようぜ

ロスジェネ世代はとことんツイてない。

政府が重い腰を上げて少子化対策に全力で取り組みだした。それ自体は国にとって喜ばしいことではあるが、ただ一つだけ言いたいことがある。異次元の少子化対策はあまりに遅すぎた。15年は遅かった。なぜ15年なのか?15年前であれば救えたはずだ。そう、ロスジェネ世代だ。

15年前の2008年、この頃であれば人口分布のマス層であるロスジェネの先頭集団がまだ35歳の頃であり、この時に異次元の少子化対策が実施されていれば、ロスジェネ世代が今よりもっと家族、子供を持てた可能性があったはずだ。しかし15年前には少子化対策は一切行われなかった。その結果、50代に突入したロスジェネの約3割がチャイルドレス、小無し世帯として人生の後半戦に突入する非常事態となってしまった

15年前の時点で、少子化問題が深刻なことは政府もわかっていたはずであり、少子化対策のカギを握るロスジェネ世代のラストチャンスであることは理解していたはずだ。もし15年前に異次元の少子化対策が実施されていれば、3割ものロスジェネがチャイルドレスのまま50代に突入することを防げたのではないか?異次元の少子化対策に湧く若い者たちの姿を、たった一人部屋で眺めているアラフィフロスジェネをことを考えると流石に切ないものがある。

なぜ15年前の2008年、異次元の少子化対策は行われなかったのか。2008年ごろに起きたこと……そうリーマンショックだ。2008年にサブプライムローン問題に端を発したリーマンショック恐慌は日本にも大きなダメージを与え、その結果当時の麻生政権は倒れ民主党政権が誕生した。大きな国難の前にロスジェネ世代に気を回してくれる政治家も世論も皆無だった。さらに追い打ちをかけたのが2011年に東日本大震災である。ロスジェネ世代の婚活ラストチャンスは日本を襲った大不況と大災害に飲みこまれてしまった。

しかし2013年ごろから日本の景気は回復傾向へ向かっていた。アベノミクスが始まり経済は株高などからも好調だったはず。せめて10年前から少子化対策が始まっていれば、ロスジェネの中後期を救えたはずだ。しかし好景気のこの時期でも政府は少子化対策に本腰を入れることはしなかった。それはなぜか?

おそらくであるが、当時全盛期を迎えていたグローバル資本主義の波に乗り、移民政策によって少子化を解決する方針を政府や経済界は持っていたのではないだろうか?もうアラサーアラフォーになった経済力もハングリー精神もないロスジェネよりも、若い移民に働いて税金を納めてもらおう。そうすれば少子化対策にお金もかけなくてよい。ただ、政府の大移民作戦はコロナ禍とウクライナロシア戦争によって脆くも崩れ去った。そしてようやく日本国民による人口の再生産に取り組むことになったが時すでに遅し、昭和から平成、令和と3つの元号を生きてきたロスジェネたちはあまりに歳を取りすぎてしまった

就職するタイミングでバブル崩壊で就職氷河期に襲われ、家庭を持つラストチャンスのタイミングでリーマンショックと東日本大震災、その後に続くグローバル資本主義……ロスジェネ世代は笑ってしまうぐらいツキがない。そんなロスジェネ世代に安穏とした老後が待っているはずもないことは、もう誰しもが薄っすら気づいているはずだ。

ロスジェネ世代が高齢者になる頃に社会保障制度崩壊は崩壊するだろう。すでにロスジェネ世代の先頭集団は未婚小無しのまま50代に突入してしまった。バブルの波に乗って資産形成し、年金の一番おいしいところもゲットして逃げ切った団塊の世代とは違い、金も家族もないロスジェネ世代の後期高齢者は多くが生活保護を受給し国の社会福祉にぶら下がることになるだろう。超少子化の日本で、未来の若者がロスジェネ高齢者を背負いきることなど出来るはずもない。結果として待っているのがロスジェネ後期高齢者を人柱とした社会保障費改革だ。

ロスジェネ世代は就職期には団塊の世代の雇用を守るため、後期高齢者となってからはZ世代以下の若者たちの生活を守るため、二度焼かれることになる。まさにロスジェネ二毛作だ。焼かれるだけのロスジェネはたまったものではないが、もうこうするしか日本の歪な社会保障を改善するすべがない。

とことんツイてないロスジェネ世代であるが、もっとも悲しいことがロスジェネ世代は生き延びた7割と零れた落ちた3割の間には埋めがたい溝が出来てしまい、もはや一枚岩にすらなれないことだ。厳しい就職氷河期を勝ち抜いて安定した職を手に入れ、若手が全く入社しない部署で万年新人扱いされながらも仕事を覚え、時期が来れば結婚し子供を設け育てて来た”レールに乗れたロスジェネ”と、就職氷河期では失敗したがその後紆余曲折あって何とかまともな稼ぎと家族が得られた”レールに戻れたロスジェネ”、そして最後までレールに戻れなかった”レールの外を歩くロスジェネ”、この3つの物語を生きるロスジェネたちが同じ方向を向いて一致団結することはとても難しい。

もしロスジェネ世代が一枚岩になり社会と戦うことが出来たタイミングがあるとすれば、それはあの10年近く続いた就職氷河期の頃だった。ロスジェネ世代が真に怒るべきだったのは若くエネルギーもあり、皆が同じレールに乗っていた20代前半のころだったのだ。そこで社会と戦っていれば何かが変わったのかもしれないが、まだ社会を知らない若者たちはメディアの流した「会社に縛られない自由な生き方」「自分の内面と向き合おう」「社会的成功よりも精神的充実」といったプロパガンダに流され、拳を振り上げるタイミングを逸してしまった。

ロスジェネ世代の中でもレールから脱輪し、社会から孤立し、生活できるだけ稼げているがどこかうつろな気持で生きている独身ロスジェネ世代の皆に一つ提案がある。もしかすると、人生の孤独感を癒し生きる楽しさをまた得ることが出来るかもしれない提案だ。

ツイてなかったロスジェネ世代のみんな、俺と一緒にプロ野球みないか?

これは本気で言っている。プロ野球は日本のスポーツエンターテイメントとしてNo.1の地位に何十年間立ち続けているには理由がある。野球は実は独身中年に生きる目標と活力、そして社会の居場所を与えてくれる素晴らしいスポーツエンターテイメントなのだ。一体プロ野球の何が素晴らしいのか?その5つポイントについて語っていこうと思う。

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