◆小説の中の家 ~気学で見る家相~
平安時代には「方違え(かたたがえ)」という風習があり、凶方位に行く場合、一度別の場所に移動して目的地に向かうことが、盛んに行われていました。現代では、方位の吉凶を見る占いの一つに「気学」があります。各方位に人体の部位をあてはめ、その方角を汚すと病気になったり、運気が下がったりするというのです。
吉本ばななさんの「哀しい予感」という小説の中に 『平屋で、3部屋と台所しかない。そして風呂場が家のど真ん中にあるのだ。(中略)奥の部屋からは風呂を通らないとどこにも行けない(原文)』と描かれている部分があります。この場合、風呂が家の中心にあり、気学でいうと人間の体の中心、五臓が常に湿気を帯びているという状態で、あまりよい家相とはいえません。このように気学は家相を見ることもできます。
前述のような家に長く住むと、病気がちになったり、イライラしたりすることが多くなるようです。小説の中では、主人公より前に住んでいた人が、夫に逃げられてノイローゼになり、赤ん坊を殺すという事件を起こしています。これは現実に起きても不思議ではないかもしれません。
水回りは家の真ん中を通さない。家を増築して継ぎ足すぐらいなら、改築して建て直してしまうこと。改築する際にはできるだけ長方形の家で欠けの無い形にする。寝室などに風呂場の湿気が流れこまないよう換気には気をつける……。これらは「気学でいう幸福を呼ぶ家相の基本」と覚えておいてください。
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