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海の向こうの2人を思う

数年前、エルサレムから結婚して初めてテルアビブに来た時、引っ越し荷物を片付けて、息子夫婦が行った、イタリアンのレストラン。

そこに、私が帰国する前にもう一度行きたいと言ったので、夫のカード登場。お腹いっぱい食べられたかわからないけど、ドルチェはたべず、お食事だけで帰ってきた。

孫を抱いてあやしながら窓際に立っていると2人でニコニコしながら話している。初めての食事のあと、再び来ることもなかった店。日本の感覚で言うと、ごく普通の美味しいイタリアンなのに、2人にはとんでもなく高いからなのだろうか。余計な詮索はしないようにと思いながらも、美味しそうに食べてるのを見るのは、親として本当に嬉しかった。

子供たちが幸せで仲良く暮らしていることが、私の1番のしあわせ。家族が増え、彼らも本当に親になったんだなと胸にこみ上げるものがあった。戦時下のこの地で、これからも穏やかに暮らしてほしい。心から祈った。

黄金のドームをオリブ山より見る

息子がせっかく聖地にきたので、オリーブ山に行こうと連れてきてくれた。写真が間に合わなかったけど、右上に一瞬だけ虹が出た。この後、嘆きの壁に行ったが、シャバットだったので、写真を撮る事はできなかった。

黄金のドームの反対側 黒のドーム

通訳でお嫁さんがついてきてくれて、嘆きの壁のセキュリティゲートをスムーズに通過して、女性が祈る場所に向かう。孫とお嫁さんには壁の側に併設された、温かい建物で待っていてもらい、私は傘を差し、壁に向かって歩く。

雨がひどく、周りには誰も居ない。壁の石の隙間に願いを入れると叶うと言われていて、みんなできた時は、小さな巻紙にたくさんの願いを書いて、石と石の隙間に押し込むこともあったが、今回はただ手のひらをつき、冷たい石に額をつけて祈った。あつい涙と冷たい雨が混ざっていく。

祈っていると、下にたくさんの願いの巻き紙が雨で落ちて散らばっていた。散らばってもここに入れたものはきっと叶うんだなと思いながら、また目を閉じた。

嘆きの壁では、イスラエルの平安と、贖いに感謝した。もちろん戦争の終結と、人質の解放。そして、聖地の平和を祈った。

国旗あふれる雨のテルアビブ市内

聖書を読んでいると思う。神様は善悪を超えることがあると。それは人間がその意図を汲み取れないから。そして人間はずーっとあとで気づくから。でも、欠点だらけの私を愛してくれるのも神様だから、上を向いて歩こうと思う。

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