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飲む来る出る呼ぶ。まだですね。

検査準備が30分遅れて始まる。

手順

  1. モビプレップ(経口腸管洗浄剤※体に吸収されない)をコップ1杯、15分かけてゆっくり飲む。なくなったらまたコップ一杯…を繰り返す。

  2. 1L飲んだ段階で水分補給の為に500ml水を飲む。

  3. 再びモビプレップをゆっくり飲む。

  4. 便意がきたら、出す。目視で状態を確認する。排泄物が透明でなければ再びモビプレップ。透明になるまで繰り返す。

  5. 透明になったと感じたらナースコールで看護師さんを呼び確認をしてもらう。

  6. 無色透明の液体になり看護師さんのO.Kが出たら検査準備完了となる。

モビプレップを飲み始める。やや癖のある塩味の濃いポカリのような味。


便意が来るまで、飲む。飲む。飲む。


1L過ぎた辺りから便意が来る。



ここからは
のむ。くる。出す。のむ。くる。出す。


やがて、透明になりだしたのでナースコールで看護師を呼ぶ。

「どうでしょうか」
「あぁ、これはまだですね。ここからは出したらその都度呼んでください。」

ここからは、
飲む来る出る呼ぶ。まだですね。
飲む来る出る呼ぶ。まだですね。
飲むクル出る呼ぶ。まだですね。
飲む来るデル呼ぶ。まだですね。
飲む来る出るヨブ。まだですね。
のむ来る出る呼ぶ。まだですね………。

そして

まだですね。
  10秒後、便意。
     15秒後、出す。
        20秒後、拭きながら目視。

さっきといっしょだなとおもいながらナースコール。

             30秒後、まだですね。


出る呼ぶ。まだですね。
出る呼ぶ。まだですね。
出る呼ぶ。まだですね。



30秒出る呼ぶまだですね。の魔のループに突入する。

この頃になると、もう申し訳なくてナースコールのボタンを押すのがツラくなる。
選便眼も身に付いて「これはまだ駄目だ」と自分で判断がつくようになっていた。


いっそ、身に付いた選便眼で「ボツ!」と叫んで流そうか…

詰所に戻って椅子に腰掛けようとしているところでナースコール。を想像するととても押せないナースコール。

意を決し、
「ボツ!」
ハツラツと叫び、ジャパーッ‼︎


それでも2回に1回、申し訳ないなと思いながらナースコール。


出るボツ。ジャパーッ‼︎
出る呼ぶ。まだですね。
出るボツ。ジャパーッ‼︎
出る呼ぶ。まだですね。

やりとりも
「これはまだ駄目ですよねー」
「そうですね。」
になっていた。

60秒間隔でナースコール。時刻は12時半を回っていた。

看護師さんはお昼休みを犠牲にして嫌な顔ひとつせず、お食事中に便を見に来てくださる。私はどんな地獄に落とされても文句を言えません。



あとちょっとなんですけどねぇ………おかしいですねぇ…なにか消化の悪いもの…タベマシタァ〜?

ビクッ‼︎…ゴクリ………。


昨夜、ぴぴ…ぴぃザを…ぴぃいザを一切れたべました。


ドックン…ドックン…ドッ…クン……。




そうですか…じゃあもうあとちょっと頑張りましょう!

あぁなんと慈悲深い…あなたが神ですか。こんな愚かなピザパジャマになんとお優しい…PERFECT CLEAR目指して頑張ります!

このあと数回頑張るも、ほんのうっすら色があり、パーフェクトクリアにはならなかったが

「もうこれでいきましょう(ニッコリ)」
「はい、神さま(ニッコリ)」

検査準備完了。



看護師さん本当にすみませんでした。






昨日の私を溶けるまで寸胴で煮込んでほしい。


つづく。



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