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猫のご褒美。(円山茶寮)

なんだか仕事で疲れてしまって、どーして私がこんな扱いされてるの、ないがしろにされちゃってさ……みたいなクサクサした気持ちが抜けず。
大体こういう気持ちの時って、食事と睡眠どちらかが足りてないのよ。ずっと自分の身体と生きてきたから、自分は人よりそうなりやすいんだって、人より、環境や体調や色々なものの影響を受けやすく、嬉しい気持ちも人一倍だし悲しい気持ちも、クサクサな気持ちも人一倍。
大人になったらそういうことが分かってきたので、昔よりズドーン!ガガーン!と再起不能になることは少なくなってきた。
食べて、寝れば、ちょっと、今よりは良くなる。
わかってはいつつ、じゃあ食べて寝るまでのこの鬱憤はどーしたらいーの!とか、お付き合いしている人の良くない話を目の当たりにしてしまったりして、
いつもの私なら、外野がウッセー!と吹き飛ばしたりできるものなんだけど、なんせクサクサだからできず。

どーにもこーにもならず、こういう時には甘いものよね!と途中下車して向かった、ずっと気になってたカフェ。
甘いものよね!とか言ってる場合じゃなかったんだけど、どんなに落ち込んでも辛くても風邪ひいても食欲だけは落ちません。ひどい喉風邪引いた時にも普通にパンとか食べてて、「あんまり良くないですね、まぁいいんだけど」とか医者に言われたくらい。

西28丁目から徒歩2分程度にある「円山茶寮」。
まさに古民家カフェという呼び名が正しい、和のインテリアとどこか落ち着く古風な雰囲気。

ちょうどその日は初夏の陽気で、昼間のカンカン照りは夕方になると少し影を潜め、けれど半袖でいても寒くなく、暑すぎもせず、簾をなびかせて入る風も冷たくなく温くもなく、喧騒からも離れ、なんだか本当に自分の家のように、すごくすごく空間に馴染んでしまった。

全く家から出ない休日、ご飯を食べたり昼寝したり思い思いに過ごし、網戸を開けながら本なんて読んで、やっぱり風が気持ち良くて、花や木の匂いや洗濯物の匂いがしてて、ふっと我に返った時に「ああ、もう夕方だ」って感じた時の、宝物みたいな1日が終わってしまう切ない気持ちと、途方もなく良い時間を過ごしたなあという充実感。

店員さんが案内の時に「猫大丈夫ですか?」と聞いてくれ、私は勿論大好きですと答える。
通してくれたのは特等席。

すぐ隣でニャンコが眠っているーーーー!うわーーーー!うわーーーー!元気出た!もう仕事も噂もどーでもいーや!私は元気!
人が隣に座ってもお構いなく、スウスウ眠って穏やかに腹を上下させている猫、そして気持ちいい空間、そんなものを浴びてマイナスイオンで包まれてしまい、なんだか食べる前から満ち足りてしまった。私は今日ここに来るためにクサクサしたのかもしれない。今までのは前フリ。私の1日は今から開始する。

桜のパフェとコーヒーのセット

背の高いコップにぎっしりあんこが詰まった、ダークホース的なボリューム系パフェ、これを食べたくて桜の季節に狙っていたのだけど食べられずに終わった……と思っていたところ、6月初旬、まだ桜メニューがあり!おそらく札幌最長では…!?(証拠なし)
「ちょうど今日で終了なんです」と店員さん。私はこのお店で、札幌で、最後の桜デザートを食した女だーーーー!(多分)プディング円山がラスト桜だと思ってたーーー!

この幅広く背も高いグラスの中に、これでもかというくらいのぎっしりのつぶあんが詰まっていて、どでかく鎮座した桜アイスの下にはホイップが続き、ところどころに甘いクランチが散りばめられている。底にはバニラアイスと、とにかくつぶあん。
あんみつ要素もあってとにかくあんこの大暴力!私これめちゃくちゃ好きかも。
お茶のセットもあったらしいのですが、そんですごく魅力的なんですが、否、私といえばやはりブラックコーヒー…ということで深煎りの苦味の強いコーヒーを。

食べ終わる頃にはクサクサな気持ちも飛んでしまって、まあしばらくすれば、またお腹が空いて疲れて思い出してしまうのだろうけど、今の満ち足りた気持ちもどっちも本当で。
1人、もしくは2人で訪れる人がほとんどで、ガヤガヤとした喧騒もなく、席の取り合いになるほどでもなく、程良く足を伸ばしてのんびり時間を過ごせた。
そして誰も猫にちょっかいを出さない。えらい。寝ているところを起こしたりとか、シャッターチャンスを無理に狙ったりとかしない。皆が暗黙の了解的に、この場所であんまり騒ぎたくないな、と思って隠れ家みたいなこの場所をひっそりひっそり守ってるみたいだった。

さっきとは違う隠れ猫。

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🚩札幌市中央区北4条西27丁目1-32
地下鉄西28丁目駅から徒歩2分

🕐11:00〜21:00
定休:木曜

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