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中学時代に初めて創作をした話
昔から創作をするのが好きだった私だが、初めて本格的に作品を作ったのは中学生の頃だった。俗に言う「処女作」と言えるかは別だが、何も気にせずに書くことはただただ楽しかったことを覚えている。
演劇部で「脚本」に出会う
幼い頃から文章を書くことが好きで、小学生の頃は遊びで友達と短編小説を書いていたこともあった。そんな私が中学に入って演劇部に入り、脚本を書きたいと思うのに時間はかからなかった。
何かの役を演じたいと思って演劇部に入る人が多いだろう。当時役者に憧れていた私もその一人だった。しかし一年が経った頃、自分は役者には向いていないのではないかと気付いてしまった。
壊滅的に滑舌が悪いのだ。
私はかなり滑舌が悪く、周囲からよく聞き返されることがある。今でもコンプレックスに感じているが、人生経験の浅い中学生にとっては弱みこそが自分のすべてを支配してしまう部分があるだろう。
滑舌のせいで、好きだった演劇に自信が持てなくなっていたときに、脚本作りに興味を持ち始めた。
当時、市内の中学校の演劇部が一堂に集まる発表会があった。そこでは中学生自身が脚本を制作している学校があった。私の学校は自作の脚本を使っていなかったが「私たちの代は脚本から自分たちで作りたい!」という思いが強かった。
とはいえ部内ではそのような動きはなく、私も誰にも言わずに一人で脚本を書き始めることとした。いつかこの脚本を元にステージを感動の渦に巻き込むことを夢見ながら。
サイトに脚本を投稿してみた
まず最初に始めたことは、自作の脚本をサイトに投稿してみることだった。先輩から教えてもらったオリジナルの脚本を投稿できる某サイトに、何作品か投稿を始めた。(ちなみに2020年現在も運営が存続されていてとても嬉しく思う)
とはいえ中学生が思いつくような話であり、今考えるとストーリーがあやふやでかなり滑稽なものだったと覚えている。どんな題材を書いたかはっきりと覚えていないものの、厨二病満載だろうし今読んだら恥ずかしくなることだけは確実だ。
それでも一回だけ、某団体から「この脚本を使わせてほしい。」と連絡が来たことがあった。確か演劇部を題材にしたコメディ作品だったような気がするが、自分の作った作品を誰かに上演してもらえることはとても嬉しかった。塾の帰り道、親に「私の書いた脚本が上演されるって」と喜びながら報告した覚えがある。
それからは、新入生の部活見学会で発表する作品の脚本を書いたことがあった。確か2つ作品が選ばれて、私はサブ的な方で採用されたけれどそれでも満足していた気がする。
後は、3年生最後の文化祭での発表。ここにも候補として脚本を書いたけれど、残念ながら落選した。今思えばコンプライアンス的に引っかかる内容だったから仕方がないけれど、悔しさはあったな。やっぱり作るのであれば日の目を浴びたい思いはある。
創作で満たしていた中学時代
中学時代を振り返ると、演劇部で作品を書くことぐらいしか自己表現の場がなかった。クラスではスクールカースト下位層だったし、とにかく目立たないように過ごしていた。
何かが秀でているわけではないから、目立たないように大人しく過ごすことが自分に与えられた役割だったように思える。ふと見渡せば隣のクラスでは今日もいじめが起こっていた。私はターゲットにならないように「普通の生徒」になるのに必死だった。
そんな私が唯一自己表現できる場所。演劇を通して創作の楽しさを知った。意思を持たない生徒でも、ペンを握ることはできる。ペンを持てば意思を持てる。いくらでも表現ができる。
今日も創作が楽しい。私は中学時代の自分に感謝をしながら、日々生きている。
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