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ほろ酔い世直し討論

久々に会った大学の頃の友達と居酒屋へ行った

笑顔で乾杯をしてから即座に入った話題は、
仕事でも恋愛でもなく

「この世界はどうしたら良くなるのか」だった


久々に会った友達の中身がエイリアンだったくらいの間違ってしまった感


当時からそんな突拍子もない話を始める人達だったことを思い出し、エイリアンじゃないことに安心した

みんなが平等に食に困らない分のお金が配布されれば揉めないのでは?
と出たが全員働かなくなって終わりだ

そこからも色んな案が出た

その度にどれだけ頑張っても分かち合えない人間がこの世には多すぎることに絶望した

接客業をすると、普通に会話できる人間の少なさに絶望するがそれをみんな経験していたので最終的に独裁者の思考になってしまった

これではいけないと出た案が、
ひとつの肉体に全ての人間の思考をくっつけるという危なすぎるものだった

こうやって人はマッドサイエンティストになるんだなと理解した

そういった分野の知識がなくて良かったと、案を出した本人が言っていたので聞いていたこっちはもっと安心した

この世で人が、独裁者かマッドサイエンティストの思考になる瞬間をアテに酒を飲んだ

人は悩むことが出来る

それ故に間違うことも沢山ある
そこが面白いんだろうなと、自分は自分で人を慈しむ悪魔のような思考になった

こんな訳の分からん話を冗談交じりに話せる人と永遠に酒を飲んでいたいと嘆く夜だった

誰が注文したか分からず結局誰も注文していないせいで死んでいく砂肝を横目に、ジュースみたいな酒をがぶがぶ飲む

たぶんこれは酒が無くても話せる内容だ
そして酒が無いと話せない話などこの世には無い

どんどん歳をとって酒を飲まなくなっても、
暖かいお茶と羊羹で同じ話がしたい

会話の楽しさを感じれる友達がいることが嬉しくて、ソワソワしながら電車を待った

そんな夜ばかり増えればいいのにと思った

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