読書日記119「完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込」−若林正恭

著者の本を過去に2冊読んだことがあり、この本も読もうと思っていたのだが、電子書籍化されておらず、後回しにしていた。しかし、久しぶりに紙の本を買い、読むことにした。読書日記をつけるようにしてから初めて読む紙の本だ。

過去に読んだ2冊よりも先に出された本で、オードリーが急激に売れ始めたころを振り返って書かれた部分が多い。

自分が共感したのは「客観視し過ぎると楽しめなくなる」という部分だ。自分が人生をあまり楽しめていないような感覚は以前からあったが、これも理由の1つだと気付くことができた。

自分が楽しめていない時間の1つに共感性羞恥をくらっている時間がある。人数の多い飲み会を断るときは、「人数が多い場所が苦手」ということを建前の理由としているが、本音は違う。プライベートでは徹底的に避けるタイプの「共感性羞恥をくらわせる人」が混ざっているからだ。恥ずかしい思いをした時、主観的であれば自分の視野の範囲でしか恥ずかしくなくて済むが、客観視すれば全方位からの視線を感じとり、主観的である時よりもダメージが増幅する。客観的に物事を見られることは良いことだと思っていたが、このようなデメリットもあるのだと学んだ。

著者は若い頃は考え過ぎで生きづらかったが、最近はそれが減ったと述べている。その理由として疲れることをしなくなったなったからとしていたが、自分は若い頃にちゃんと考えたからというのも理由の1つのように思えた。答えが出ないなりに一度考えておけば、時間が経ってもその上に思考を積み重ねられる。それが解決につながっていたのではないだろうか。自分は時々答えも出ないのに考え過ぎて何をやっているんだと思う時があるが、今のうちに悩んでおくのもありなのかな、とこの本を通して思うことができた。

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