読書日記98「奇跡の人」-原田マハ

サリバン先生とヘレン・ケラーをモデルにした物語という事前情報だけでこの本を読んだ。読み始めてから、サリバン先生をモデルにした主人公、去場安は津田梅子もモデルにしていることに気付いた。

小学生の頃学級文庫にあったヘレン・ケラーとナイチンゲールの漫画をよく読んでいて、懐かしい気持ちになりながら読み進めた。

ヘレン・ケラーの伝記を読んでいた小学生だった頃は目が見えず、耳も聞こえない人に対する教育の難しさを深く考えていなかった。この本は、安がヘレン・ケラーをモデルとなっているれんに教育するプロセスが細かく描写されていた。YESとNOという概念の輪郭を先に教え、後から少しずつ知っている概念や言葉を広げていく。大変な作業だと思った。

気になって調べてみたところ、少し古いデータだが、視覚と聴覚の両方に障がいを持つ人は国内で1万4000人と推計されているらしく、思っていたよりも多かった。幼少期からそのような障がいを持つ人は少ないかもしれないが、そのような方達に対する教育のノウハウが蓄積されていっていると良いなと思った。

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