読書日記39「水を縫う」ー寺地はるな

水色の美しい表紙が地元の本屋さんで私の目をひいた。裏表紙を読むと手芸をする男子高校生の話とあった。なんとなく今までに読んだことのないようなタイプの本に思えて読むことにした。この本について改めて調べたところ、読書感想文の高校生向け課題図書になっていたり、第9回河合隼雄物語賞を受賞していたりと有名な本であったらしい。

この本は他の本に比べ、自分が共感できる人物が多かった。
清澄の人と違う自分の好きなものを肯定してもらえた喜び、美青の女性らしさを求められることへの苦痛、文枝のやりたいことがありつつも躊躇してしまう気持ちなどだ。

最初は家族を他人と割り切っているドライな個人の集合体のような印象を受けた家族だったが、美青の結婚式のドレスのために少しずつ変わっていく感じが読んでいて心地よく、最後にタイトルの意味が分かった時は感動した。

この本読むまで著者を全く知らなかったが、他の本もチェックしてみたいと思う。

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