読書日記95「とわの庭」-小川糸

綺麗な表紙と紹介文からイメージしていた内容とは異なる本だった。じわじわと状況が悪化していく暗い描写が長い。もちろん最後は明るくなっていくのだが、暗かった部分が清算されていない感じがして、少しどんよりとしてしまった。読んでいてしんどかったのは事実だが、現実でこのよう状況に置かれている子ども達もいることを改めて考えさせられた。

主人公は盲目なので視覚情報以外の描写がメインになっているのがこの物語の特徴だ。人が得る情報は視覚からのものが主であるのは知っていたが、視覚以外による情報も拾おうとすれば、こんなに沢山あるのかと驚きだった。

親に捨てられた主人公が親に対する感情と庭に対しての想いが徐々に変化する様子に切なくも感動する物語だった。

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