音楽家の分類

哲学者バーリンの著書に『ハリネズミと狐』というものがある。文学者や哲学者などをハリネズミと狐の二つに分類し、ざっくりと言えば前者は世界の普遍を追求する者、後者を世界を構成する事物の多様性をありのままに描く者としている。

▼バーリンが挙げている例▼
・ハリネズミ→ダンテ、プラトン、パスカル、ヘーゲル、ドストエフスキー、ニーチェ等
・狐→ゲーテ、バルザック、アリストテレス等

ドストエフスキーはちょっと怪しいが、たしかにわかる。そして彼はトルストイという作家をどう分類されるのかを本書で突き詰めていくが、今回はそれについて触れない。

今回やろうとしていることは、完全な持論でこれを音楽家に当てはめてみるということ。音楽という抽象的なものでもこの分類が適用できるのではないかと思うのだ。

⬛︎ハリネズミ
・ベートーヴェン
・モーツァルト
・バッハ
・シューベルト
・ブルックナー
・ワーグナー
・シベリウス
・ブラームス
・ショパン
・シューマン
・ドヴォルザーク

⬛︎狐
・マーラー
・ストラヴィンスキー
・ラフマニノフ
・R.シュトラウス

※イタリアオペラの作曲家はちょっと趣向が異なると思ったので掲載せず。

もっと作曲家はいるが、とりあえず数人分類してみた。宗教が密接に絡んでいたり、時代が遡るほどハリネズミが多く、それ以外は狐という結果に。例外はあれ、ハリネズミは初期〜中期の作品群が晩年の傑作に結実している傾向にあり、狐は各作品がそれ自体で独立している傾向があるように思える。

特に、ハリネズミであるベートーヴェンと狐であるマーラーの交響曲の変遷を見ればそれがよく分かると思う。

とりあえず今回は現時点での印象を書き留めておき、今後色々聴いていく中で印象の変化を楽しんでいきたい。

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