ジェットコースター『エロイカ』

ベートーヴェン『エロイカ』の第一楽章は天上から地底までジェットコースターの勢いで連れ回してくれる。

第1主題は冒頭から6連続の不協和音に至るまで、終始高揚感に満ちている。特に、この不協和音には心を強く揺さぶる勢いがあり、僕の思う『エロイカ』の頂である。
しかし第2主題は一転、静けさの底を撫でるような感じがする。ただ撫でるだけではなく、一層一層静けさの膜を剥いでいくような。末にはほんの一瞬だけ、自分の心の深層部が目に浮かんでくる。ここが僕の思う『エロイカ』の麓である。と思えば、曲調は再び活気に満ちた雰囲気を帯び、第1楽章は終わる。このジェットコースターのような動きがソナタ形式によって強調されている。天晴れ…。

クラシック、聴けば聴くほど発見があるなぁ〜。

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