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拝む仕草

思っていたよりもずっと大きい建物で講習を受ける、(エヴァの都市みたいだと言った山も見えます)険しい顔で人の流れを整理している者が居ます(ずっとそういう仕事をしています)、「どちらですか」「行政手続きです」(ですが、ぼんやりしています、)

4階で挨拶をして
5階でお金を払って
6階に1日中居る

声の小さい女性が後ろにいて、それにいちいち駆け寄り、「事故?人を傷つけましたか?という質問です、でしたら、まるをですね、違いましたら、次の欄の、はい、はい、でしたら、」

自販機でパンが売ってる、7階の自販機にはパンが沢山売ってあって、昼もパンにしようかと見ていた。

「さささ、ですから、ななな、ですからして、ね。ですね、ええ、さ、ですから、ね、時間との闘い眠気との闘い、と、ね、ですからしてね(ああずっと揺れてる、室外の廊下を挟んだ向こうのトイレのうがいの音が聞こえる、こうしている間にぬるい風が窓から入ってきて、冷房が入れ替わって出て行く。窓から見えるのは木が沢山あるが、森ではない。そうして、以前は森も見えるこのような建物にいた時、首を左へと向くと窓があってそこから大きな平たい土地が見えて、緑のネットで囲まれている。急な斜面の頂上に私たちは位置している、その建物から街を見下ろしていた、またその窓から直下に視線を落とせば、談笑している私たちの幻影が見えるはずで、皆揃って赤い半ズボンを履いている)ね、ですから、赤い線を引っ張るのはね、ここ、と、ここ、になりますね、」

道路を挟んで、墓地があった、大きい霊園で、あたりいっぺん熱にうなされているのだけれど、その霊園は涼しげに見え、(そう見えるだけ、ゆっくりと階段を登って行く、同じ苗字ばかりがあり、柄杓とバケツを手にする、バケツに水を一杯に汲んで、それは大人の真似をしている。また少し階段を上がり、枯れた花や新しい花、山の緑と、虫が死んでいたりする、それぞれに彩られている、線香の束に着火するのは大人で、風が林から吹いていてなかなかつかないのを見守っている)

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