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眉山を好きになった話


あまり暗くならずに書くつもり。

伯父さんの告別式に行ってきました。
伯父さんは父の兄です。実家を継いでいたので、父の実家に伯父さん家族が住んでいました。子供たちが大学生になる頃までは、盆と正月はほぼ毎回帰省していました。親戚という間柄にしてはかなり仲が良いかもしれません。

遺影には破顔の笑みを浮かべる伯父さんがいました。目尻に深い皺があり、太い眉に二重瞼、大きい口から白い歯が覗いている爽やかなおやじ。それが伯父さんでした。絵に描いたようにハッキリした笑顔が、父方の血筋の特徴でもあります。

告別式にはたくさんの親戚が集まりました。大人数のおかげか悲壮感はあまりなく、少し気持ちが落ち着きました。
伯父さんのお父さんは7人兄弟で、従兄弟に当たる人だけでかなりの人数です。親戚同士で続柄を確認しては「○○さんに似とるわ」と言い合ったり、思い出話などをしていました。

伯父さんの子供は4人兄弟。喪主である長男・シュンくんは私の従兄弟です。伯母さんを支えつつ立派に喪主を務めていました。
しかし私が小学生の頃は大学生だったシュンくん、相応に歳を取ってますます伯父さんに似てきている。喪主として前に立ち挨拶をするシュンくんと、遺影の伯父さんの顔を見比べる。マスクをした目元だけでもかなりそっくり。

お喋りで声が大きくて面白い伯父さんと話すことはもうできないけれど、伯父さんと伯母さんが築いた家族は今日もしっかりと集結していて、従兄弟たちには子供もいる。伯父さんの会社は副社長のシュンくんが継いで、続けていくそうだ。親戚たちや仕事関係の方々も口々に思い出を語り、みんなの中にはまだ伯父さんがいると感じました。

そして、従兄弟のシュンくんの顔と伯父さんの遺影を眺めている時に気づいたこと。私のコンプレックスだった、笑う時に上がる眉山の筋肉。それを10倍くらい発達させたものが伯父さんの遺影の眩しい笑顔にもついていた。これを父に話したら、父は「確かにそうかも」と太い眉を大きく上げて見せてくれた。


書斎に置いててたまに弾かせてくれたあの12弦ギター、バンド仲間で譲り先がいなければ私が貰ってもいいかなあ。伯父さん喜ぶと思うんだけども。

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