『心白』が終わり

『心白』が終わった。ご来場いただいた皆さま、ありがとうございました。
今回は学びの多いクリエイションとなった。
社会との接点としての演劇活動、自らの日々とのやりとり。避けられないこと。

当日パンフレットの挨拶文に書いておけばいいのだけど、挨拶文を書く時期はいつも頭が作品の構築に振り切っていてうまく言葉にならないので、あとがきみたいに、だけどやたらと抽象的な振り返りをしよう。

自分の中で試みることができたものや一期一会とはいえカンパニー参加者全体でポジティブであり続けたこと、事前に時間を費やして関係性を最初に整理できたし、社交場では見えてこないそれぞれの感覚を共有できたこと、いくつもよかった点があった。

テキストから俳優たちと立ち上げる作業がとても楽しかった。素晴らしい演出家はもっと先へ行くのだろうけど。「先」とはどこのことかわからないけど。楽しく切実に、一緒に表現を探っていける人たちと、この先も作っていきたい。

自分の課題は、安定したクリエイションのための場や環境づくりだなあと思う。

とにもかくにも、一昨年の暮れ、『コンとロール』稽古インからがむしゃらに走ってきた1年半が終わった。ずっと前に俳優現場でご一緒した梶原善さんに「諦めないことが大事だよ」と言われて以来、多分その時と文脈はずれているのだけど「諦めない」という言葉を胸のうちにくりかえしながら過ごしていた。今は少しだけホッとしている。今後、ちゃんと、しっかり、もっと遠くへ届くようにしたいし、活動の地盤も整えたい。日々と折り合いをつけながら。

次は来年1月、こまばアゴラ劇場です。しっかり準備をして向かいます。ありがとうございました。

いただいたサポートは、活動のために反映させていただきます。 どうぞよろしくお願いいたします。 ほそかわようへい/演劇カンパニー ほろびて 主宰/劇作、演出/俳優/アニメライター