半演劇日記-5

2023年10月4日
 台本を進め、さる申請書を書く。

作劇をする上で「物語」というものに全幅の信頼をおけなくなって数年。ということは、ほろびての上演を知っている方なら多少なりともわかっていただけるのではないかと思うのだけど、今回もそういうものを書いているつもりではある。けれど、ガラリと変わったと受け取られる気もしている。

語りの断片の配置具合や要素のカリカチュアライズの加減は作家の感覚や切迫感によって変化していくだろう。つまり作家の個性や特性がそこに出る、と、思っている。そう思っているのに、書く前はどのような方針でも書けるような気がしている。テクニックが無限にあると思いこんでいる。シュレディンガーの驕りである。この状態がやっかいだ。

体の中に作劇のための要素が溢れると「書く」状態になる、ということを今ほど実感していることはない。要素を溢れさせるために必要な準備も何となく知った。あと、この状態であれば複数作の執筆も可能なのではないかとも思う。いや、これはおそらくシュレディンガーの驕りだろう。精神活動というのはこんがらがっているのだから、こんなことを妄想もしてしまう。

いただいたサポートは、活動のために反映させていただきます。 どうぞよろしくお願いいたします。 ほそかわようへい/演劇カンパニー ほろびて 主宰/劇作、演出/俳優/アニメライター