とりとめもなく・11

からすが盛んに鳴いている。朝から昼にかけて頻繁に鳴いている。で、ある日、部屋を出て階段を降りている時に、隣の家の塀に停まっているのを見つけた。真っ黒なからす。僕の接近に動じることもなくジッとしている。数年前に友人のYくんと飲んでいて、Yくんがからすに襲われてさあと話してくれた。春先は気が立ってるから首の後ろを狙ってくるんだよ、と真剣な目で話す。他にも人は歩いてたのにオレだけ狙われて恐怖だった、だから気をつけてね、と締めくくっていた。数年前のYくんの話を思い出したもんだから、襲われるかなと思ったけどそんな気配もない。夜に帰るとからすは姿を消していた。そして朝、からすが鳴くのだ。

🦉

台本を書くとき、何から考えるのかはいつも果てしない。掴みかけたかと思えば消えていくしかと思えば別の方向から予兆がやってくる。書き始めるまでが大変だ。書き始めてしまえば次々に開けていく。書き始めるまでが、とにかく大変だ。次は違う形式で書いてみたい。


いただいたサポートは、活動のために反映させていただきます。 どうぞよろしくお願いいたします。 ほそかわようへい/演劇カンパニー ほろびて 主宰/劇作、演出/俳優/アニメライター