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私がおじさんになりかけた話

先日、左頬にポチッとできものができた。

普段私はニキビができない。年に3回くらい生理前に鼻の横にごくわずか小さいニキビができるくらいなもので、顔はエブリデイテカテカのくせにニキビというものが非常にできにくいし、たまにできたそいつを見つけた瞬間プチッと退治しても跡が残らないというありがたい体質である。大きめのニキビが登場したのなんて26年強生きていて5回くらいだと思う。さらに基本的に肌荒れもしない、ごく稀に食物アレルギーなのに食いしん坊が勝って食べてしまった時くらいは若干の蕁麻疹が出るけども、それ以外はほぼできもの的なものは登場しない。代わりにとんでもない食生活を送っている時は、爆弾のようなケツニキビがお尻に登場し、椅子に座るたびに激痛が走る、普段登場しないアタシのニキビちゃんたちにとっての超ビッグイベントが行われることもあるので許してほしい。

そんな私の左頬にある日突然できものが現れたのだ。ニキビ????違う???ニキビっぽい??普段ニキビができないので、大きいニキビに対する知見が浅い私はそれがニキビなのか、果たして違うできものなのか判別に苦しんだ。しかも結構大きめ、日々爆食激太りをかましていたのでまあ肌も荒れるよな、と思いつついつものように潰しにかかった。

なぜなの、潰れない🥹🥹🥹🥹🥹

15分近く格闘したであろう、ニキビかどうかもわからないできもの潰し、だがしかし私は負けた。完全に敗北した。いつもは顔になにかできものがあることが耐えられないので、激痛だろうが血を流そうが針を刺そうが意地でも退治している。今回ばかりは敗北、人生2度目くらいの敗北、おめでとうアタシの左頬のできもの、ユーウィン。

アタシの左頬に住み始めたおできちゃんと同居をはじめて3日後。普段多少肌が荒れようと大体翌朝にはまあ落ち着くタイプなのでこんなにおできちゃんと同居をしたのは人生で初めてかもしれない。おはよう、おできちゃん。今朝も引っ越さずに朝を迎えたんだね、どうして君は小さくならないのかな?そんな気持ちを抱えながら朝の化粧を終え、コンシーラーでおできちゃんを閉じ込めた。

この夜、事件が起きた。

あまりにもヘロヘロで帰宅し、シャワーを諦めて顔を洗って寝よう。私は洗面台で顔を洗った。鏡の前で顔を拭き、ふと顔をあげる。ん?ほっぺになんか黒いのある、ゴミ?あれまつ毛抜けた??

まってーーーーーーーーー!
おじさんになっちゃったかもしれないーーー!

私は1人叫んだ。狭い洗面台の前で叫んだ。そう、私のおできちゃんからはマジで凧糸と同じくらいの太さの剛毛がニョッキリしていたのだ。え?何毛???!何??この頬毛何???わたしはパニックだった、完全におじさんになっていた。ヒゲならまだしも頬毛である、しかもとてつもない剛毛。こんなのちいかわのモモンガ以外許されるはずがない。そもそも頬毛の住処にコンシーラーを塗っていたとは、なんて意識の高いおじさんなんだろうか。私は化粧水も塗らずに自分の部屋の全身鏡の前にダイブし、反射的に毛抜きを手にした。

こうして私とおできちゃんの同居生活は幕を閉じた。約1センチ程の命だったらしい。ごめんね、私は君を福毛として可愛がることはできなかった。さようなら私のおでき、できれば一生会いたくないからな!!!もうおじさんのような生活はしないと心に誓った

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