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他人は自分を映す鏡

私はこの言葉が大好き。
新卒で入社した金融の営業職の研修で言われた言葉で、聞いた時は、は?そんな簡単に他人が自分に影響されるわけないじゃんって思った。

研修期間が終わり、毎日電話をかけたりインターホンを押して挨拶をする。それを1日7,80軒。顔が見えないため向こうの声色だけがこちらに伝わってくる。

愛想のいい人もいるが、大抵は冷たい人ばかり。続けていると、段々と怖くなってきて億劫になった。

怒鳴られることもしばしばあって、どうでも良くなってた頃に、研修で聞いた「他人は自分を映す鏡」をふと思い出した。

もういいや、とりあえず楽しく気楽にフランクに話してみよ〜と思った。

何度かかけていると、無愛想な母親と同じくらいの歳の女性が出た。
👩🏻「◯◯会社の△△と申します」
🧑🏻「はい、結構ですので」
👩🏻「ですよね〜、私新入社員でしt」
電話を切られてしまった。

そこから何回か電話をかけるも冷たくあしらわれ続けたので、その方の自宅へ飛び込みで行こうと決意した。

👩🏻「(ピンポーン)」
🏠(......)

居留守か留守かはわからなかったが、カメラ付きのインターホンだったのでお辞儀をした。

次の週、またその方の自宅へ行った。

👩🏻「(ピンポーン)」
🧑🏻「はい」
👩🏻「私、◯◯会社の△△と申します」
🧑🏻「あぁ。」
👩🏻「何度かお電話でお話もさせて戴いてます。こちらのエリア担当でご挨拶をs」
🧑🏻「(ブチッ)」
今度はインターホンを切られてしまった。
お辞儀をして去ろうとしたところ、玄関からその女性が出てきた。

🧑🏻「あなた根性がすごいわね」
👩🏻「そうですかね?お話ししてみたいなと思ったからです。」
🧑🏻「ふん」
👩🏻「この街素敵ですね!高校時代よく降り立った駅ですが、駅前は便利だし住宅街に入るととても閑散としていていいですね。」
🧑🏻「あら、高校はどちら?」

なんて話が盛り上がり、なんと出身高校が同じこともわかり息子さんも同じらしく、私の一つ上の学年の先輩だったことがわかった。

その方へ度々会いに行き、高校の話から広がって、芸能人の話、洋服の話、喫茶店の話、お花の話、ドラマの話などいろんな話をしていた。
ある日「△△さん、世間話をしに来てるわけではないわよね」と向こうから話を切り出してくれた。

結局転職する直前まで総額4桁後半万円(詳しい額は伏せます)ほど、私の提案するものを買ってくださった。

転職して久々に営業をする機会が最近あった。
会社の相談会に来ていた女性のお客様は雰囲気は怖く、冷淡な感じの人だった。同僚が話しかけるも挨拶程度言葉を交わし、退散していた。

私も挨拶をした。口調がキツい、というか何か絶対に揺るがなそうな固い信念のような分厚い壁をすごく感じた。

そんな時、あの言葉を思い出した。

女性は私の質問に答えてはくれるが、常に淡々と話していた。確かにゲラゲラ笑いながら話す内容でもないが。でもこのまま話し続けていてもこの方のニーズを掴むのは難しい。少しフランクに話してみよう、と思った。

淡々と堅く話していた時、チャンスが来た。
👩🏻「へえ!いいなあ。お子さんたちが羨ましいです」なんて言ってみた。やばい、タメ語はやりすぎたかと思ったが、
🧑🏻‍🦳「そんな!笑 お子さんたちってあなたより年上よ。」と笑顔を一瞬見せてくれたのだ。

それからは、仕事とは関係のないいろんな話をした。なんなら出身地や大学まで向こうから聞いてきた。とんとんとアポイントが決まった。

人として興味を持って貰えたり、気軽に話してもらえることは大切だし、営業効率がかなり上がる。

プライベートでも活きていると思う。

苦手だなと思った人にほど優しくする、キツい口調だなと思う人にほど穏やかな話し方をすることを心がけている。そんな中で仲良くなった人とは長く続いているし、当時の話を聞くと「最初は雰囲気が怖かった」と言われた。やはり「他人は自分を映す鏡」なんだな〜と。

自分が心を開けば相手も開いてくれるし、私が穏やかに話せば相手も穏やかに話してくれる、私が笑顔になれば相手も笑顔になってくれる。

今後もいろんな場面に役に立つと思う。

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