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火・水曜日連載『あらたま流きもの雑記』 3月31日 半衿、作ってみよう

 初めましての方、ようこそいらっしゃいました。
 二度目以上お運びの方、本日もありがとうございます。
 こんにちは、あらたまです。

『あらたま流きもの雑記』とは――
 火曜日と水曜日の連載で、きもの文化検定2級ホルダーのあらたまが普段着きもの生活についてアーデモナイコーデモナイと書き散らかします。
 水曜日は普段きもの一式の紹介と解説と、きもの生活tipsやお寄せいただいた質問への回答をお届け。
 ・いわゆる『映え』なきものの御提案は無いと思います。
 ・きものを着た可愛いポージングの女性は出てきません。
 ・きもので行くべき映えスポット!の御提案もありません。
 きものを普段着にしているといっても、洋服を着る日だってありますし、和の習い事経験は皆無です。
 大雑把な性格で、かなり雑な暮らしぶりのオバチャンのきもの生活の一端をお見せすることで、きもの生活のハードルが多少低くなり、きものを始めたい方の勇気に繋がることを願っております。

 近所の子供たちがぼちぼち公園で元気に遊ぶようになってきました。偉い人が「不要不急の外出はぁぁぁ~御控えに~」と連日仰る間は、ちびっ子たちも気が引けていたのでしょうか。
 待ちに待った、待ちわびたという心境なんでしょうねえ。元気いっぱいに走り回って……夕方近くになると「いやあああああああ、帰りたくないいいいいいい」と泣き叫ぶ声があちこちから(あらあら)。
 お父さんお母さんもなだめすかしておうちに帰るのが大変そうです。がんばれ、オトナもコドモも。

本日ご紹介の一式

 そろそろ美容院に行かねばなあ、と考えながらも雀も居つかぬ藪ヘアーをそのままにして、気付けば三月も終わろうとしています。

 今日、慌てて行き付けの美容院に予約を入れました。

 私個人の勝手なルールなのですが、病院へはノーメイク、美容院へはメイクも装いもなるべく全力、を心掛けています。
 病院では肌の状態や目の輝きなど、目視で症状を推し量るのも重要と聞きました。なので、本当に最低限、眉毛だけは描かせて!てなもんで、正真正銘ほぼ寝起きみたいな顔で脱ぎ着のしやすい服を着て出かけます。
 美容院はその真逆。元々の素材のポテンシャルは「どうぞお察し下さい……」な低空飛行ですけども、それでもなるべくカッコイイ感じに仕上げて出掛けます。できるだけ!それなりに!なんとなく!力の限り『盛って』ゆけ!!

 以前、美容師さんにお聞きした話なんですけどもね。
 美容院は為りたい自分に為るための場所なんですって。
 カジュアルでラフな感じでとか、ナチュラルなフェミニンさを出してとか、ヘアカタログを見ながら相談するのも勿論アリなんですけど、そのシーズンの新色を使ったメイクや着まわしたいお気に入りの服で一式揃え「このスタイルに合う感じで、長さはこんなで……」とオーダーする方が、美容師さんも具体的なイメージが固まりやすいんだそうです。
 なるほどなあ、と思いました。オーダーが通っても、頭の中のイメージがそっくりそのまま伝わってるとは限りませんものね。より具体的な参考資料があれば、それを提示するのって大事だわ。
 私みたいに和洋半々(時には和洋を混ぜこぜにしてる)ならば、一番『盛って』る時に合わせて髪形を作ってもらう方が良いのかなあ?とも思いました。休みの日の気の抜けた恰好をベースにしたら、そこから自力でお出かけモードにするのはちょっと大変。ならば最初からビシッと形を作ってもらって、休みの日は洗いざらしのままで居た方が簡単です。

 というわけで。本日は美容院に行くための一式を調えました。

 紬の飛び柄小紋、サファリ柄の半幅帯(リバーシブルなので裏面を使います)、帆布ポシェット

 美容院に行くとき、カット用の椅子は深く座る場合が多いですし、シャンプー台で仰向けになったりするので、帯結びはぺたんこ型にしていきます。
 私は手っ取り早くカルタ結びです。
 あと、カットの時に出る細かい毛が付く場合もあります。美容院の後出掛ける時などはどうしても気になってくるので、目立たないように色味の濃い長着を選ぶようにしています。

 それから、着るときは、帯から上を少しだけゆったり目にしてます。衿のとこにタオルを挟んだりケープを巻いたりするので、それらの邪魔にならないように。

普段着だからこそ、半衿で遊ぼう

 礼装は白衿が望ましいとされております。
 ていうか、実際問題、白衿じゃないとバチっと決まらないことが多いです。
 試しに柄半衿を入れる実験をお世話になってる呉服屋さん巻き込んでやったことがあるんですが、コスプレ感が全面に出てしまいました。なんかこう……式典やお祝いの席に御呼ばれするって感じじゃなくなっちゃったんですね。
 オフホワイト基調のポイント柄もなんだかボンヤリとした印象
 結局、礼装で半衿に何かを組み込むなら、白半衿をベースにワンポイント的な刺繍を入れるくらいが妥当かな?との結論に落ち着きました。全体が華やか・エレガントなので、半衿は清々しく引き算するのがバランスとれるのですな。

 それに比べて、普段着は礼装に比べて地味な印象。お洋服雑誌でいうところの「ベーシックな綺麗目オフィスカジュアル」とか「一枚で決まる、着回しコスパ最強ワンピース」だからこそ、小物で色を差したりして個人のセンスをキラリと光らせることができます。

 半衿はハンドメイドが可能です!
 好きな布(洗える布、例えばコットンの端切れとか)を半衿の大きさにカットすればOK
 私は市販の半衿を布に当てて、同じ大きさになるようにザクザク切るだけ。ほつれが気になる場合はピンキングばさみを使います

 はじめてのハンドメイド半衿に向いてる柄

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 左:SOU・SOUさんの反物測り売り
 真ん中:手芸店の端切れワゴンセール
 右:あ、これも端切れワゴンセールだった……

 どこをとっても、柄がまんべんなく入っている或いは無地の布が、衿に付けた時に柄だしの調整をする手間が省けておすすめです。

 難易度が高い柄

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 左:ちりめん風ナイロン生地。手芸店で。
 右:柄に一目ぼれした手拭い。どこだかの雑貨屋さんだっけ?

 大ぶりな柄が飛び飛びに入っている左側のようなデザインは、好みのイメージ通りに柄が出るようにするのが難しいです。一番大きな柄を「ここだ!」という位置に決めても、別の場所で出て欲しい柄が出なかったりして、実に悩ましい事に。
 右の柄は一見、何も考えなくてもモード感ある衿元になりそうですが、柄行の天地が決まっていること・柄が一方向(写真では縦方向)のみについていることが柄だしを難しくさせます。
 ただ、こういった柄はバチッと決まると大変カッコいいので、半衿の柄だしの仕方を存分に研究しておくときっと良いことがあるでしょう!

いかがでしたか

 御洋服でも、シンプルなワンピースにスカーフを合わせたり、スーツにリボンやネクタイを結んだり、個性の出しどころとして小物に注目するシーンは多いです。
 そのノリで、きものでは半衿や帯揚げ、帯締め、帯留めで、その日その時の気分を演出したり同席される方へのサプライズを盛り込んだりと『遊び』を楽しみます。
 クローゼットで眠っているスカーフを半衿や帯揚げにして楽しんでいらっしゃる方も居られるくらい、普段着きものの世界は自由です。平日に白半衿でキリっと御仕事、休日は色・柄の半衿でお洒落遊び。同じきものと帯でも半衿だけでだいぶ印象が変わって面白いですよ。


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 また明日ね、バイバイ~(ΦωΦ)ノシシ

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