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火~木曜日連載『一日一妖!』 1月28日【件】

 初めましての方、ようこそいらっしゃいました。
 二度目以上お運びの方、本日もありがとうございます。
 こんにちは、あらたまです。

『一日一妖!』とは――
 怪異や怪談が大好きな私あらたまが、妖怪や怪異に関連する与太話をさせていただくという連載企画です。
 毎日読むのにちょうどいい、約1000字の超ショート・ショートテキストサイズ!
 さっくり楽チン軽やかな、ゾワッと怪しいひとときを楽しんでいただけたら嬉しいです。

 知識に裏付けされた教養って大事だなあと、年齢を重ねるごとに思います。
 最近は指先でチョチョイと調べれば「なんとなくわかった!」気になれてしまうものですから、けっこうセンシティブで多少の深掘り知識が必要なところにでも、その『道』に大して興味もないのに道場破りを挑んでいく人が多いように見受けられます。
 付け焼刃な方々は己の『切れ味』を試したい一心ですが、知恵として身につけたい方々は『手合わせ』から新たな学びを得ようとされる……この差が生まれる土壌が教養なのかしら?と。
 私も改めて肝に命じなければと思います。謙虚に。実るほど首を垂れる稲穂かな。

 それでは、前置きはこのくらいに。
 本日の『一日一妖!』始めましょう。

【件】

 牛小屋の怪異。中国、四国、九州などで言われる妖怪で、身体は牛だが、顔は人間という面妖な姿をしている。人間と牛との間に生まれたものともいう。
 生まれてすぐに予言をし、言い終えるとすぐに死んでしまう
 予言の内容は災害や疫病の流行といったものが多く、社会に異変がある時に現れる。その予言は絶対に外れることがないという。

 占いと予言をごちゃまぜにして語るが故に、物事をカオス化したまま喧々諤々、フルコンタクトで口喧嘩しているシーンを目撃することが増えたような気がします。

 私がオカルト本や研究者の見解を見聞きした末に得た答え(ザックリ版)といたしましては、占いは与えられたテーマについて象徴などを読み対策を立てるためのもの、予言は未来を『既に定められたもの』として何らかの手段・存在から『未来での結果』として受け取り人々に広めるもの、という線引きがされます。占いの観点では「未来=その人によっていかようにも変えられる」のに対し予言では「未来=必ず起こる」というスタンス……とも言えるかなあ、と。
 預言というのもありますけども、これもまた別の線引き。神とは?宗教とは?というお話に突っ込んでいかねばならない方面なので、今回はバッサリ割愛しますね。
 さて。
 この線引きがぐっちゃぐちゃになっている最大原因は――あくまでも私個人の推測ですけども――その原因は……あのノストラダムスが握っているのではないかと睨んでいるのであります。研究途中ですので、あくまでも仮説ですけども。

 ノストラダムス……嗚呼、タイピングするのも忌々しい(すみません今回のnoteは端々に私情を挟んでしまいます)。
 何故なら、私もまたあの大予言なるモノに振り回された一人だからです。
 世界の終りの瞬間、観てみたかったのに!
 その瞬間に立ち会うことだけを楽しみに生きていた季節もあったというに!

 彼はの形で膨大な数の予言を残したとされていますが、その的中率はハッキリ言ってそれほどでもなかったと、近年言われております。
 事実、どうとでも解釈できる彼の『詩』は意味がよく分からないものが多く、後世になってから研究家を名乗る人々が、どうとでも解釈できる詩をなんとなく・それっぽく解釈して「なんかここ、当たってるっぽくね?」みたいな箇所だけを抜粋。それを一冊にまとめた『超当たる大予言集』みたく読めちゃう本でビックリするくらい儲けただけなのです……ほんとに、何冊も、何冊も。ぐぬぬ
 ……まあ、冷静になれば。いたいけな少女時代の私がまんまと騙された話なんて、ノストラダムス本人にとっても寝耳に水的な話なのかもしれませんが。

 ノストラダムスのスタイルは予言者と呼ぶにはあまりにもお粗末だと思います。いくら昔のヨーロッパがオカルト万歳社会だったとしても、彼の『詩』の何が世の中を熱狂させたのか分かりません。
 彼は占星術を用いていたそうですが、私個人の観点からすると、アドバイスをするでもなくより良い未来についての考察もないので、占星術師と呼ぶのにも抵抗があります。
 ではなんだ?と問われたら……私同様、オカルトマニアであり占術研究家(占い師の見習い、で一生を終えた)じゃないかしら?としか、私には言えないのです。他にもお医者さんだったり料理研究家?だったりと看板をお持ちだったようですし。
 にも関わらず、占いのスキルでもって『動かしがたい未来を視ました』みたいな予言スタイルの鑑定結果を、詩という主観でもって味わう媒体で書き記すという、学問に根差しているとは思えないこの、コノ、このぉぉぉぉ――なんだこのカオスは!

 冒頭に書きました通り、予言というのは高確率で成就されるもの、と私は考えています。そう、それはまさしく件のお告げのようにです。
 占いのようにオーダーメイドできるものでもなければ、指針を立てるためのものでもなく、より良い方向を見出すためのアドバイスもない。ある意味、無責任に投げっぱなしなスタイルゆえに、動かしがたい現実として我々の前に立ちはだかる。それが予言なのだと、私は考えとります。下手な鉄砲も数打ちゃ当たる、では困るのです。
 どうあっても動かし難い、どんな手段を用いても避けることはできなかった、そんな無慈悲ささえ覚える歴史的イベントを、一部の人達は「特異点」と呼んだりするのではないでしょうか?そして来るべき特異点を避けること叶わずとも、備えよ・覚悟して待てと告げるためだけに生まれるのが件だとしたら……件とは、不吉の先触れではなく、私たちにもたらされる最後の希望の象徴のように見えてくるのですが、いかがでしょう。

 蛇足ですけども。
 今回の疫病禍を言い当てた占い師がいないからと理屈を捏ねた有名人が物議を醸したとの噂を耳にしましたが(世事に疎くてスミマセン)、ブルガリアの冝保愛子?と呼ぶ人も居るというババ・ヴァンガ(故人)は何やらだいぶ前にモニョモニョと言い残していたそうですよ?

 テキトーなこと言うな!と目くじら立てる前に、この世はテキトーなことで大部分が占められてること、自分が信じてるモノもそもそもテキトーであるという可能性がゼロではないことを知っておくと、今今で感じているストレスを多少は軽くすることができるかもしれませんよ?知らんけどな

 了


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 それでは。
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 また明日ね、バイバイ~(ΦωΦ)ノシシ

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