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99、99%        本の備忘録


『止めたい 人種差別①アジア人差別が起こした銃撃事件』監修、川島正樹(汐文社)

少し長くなりますが引用します。

「『人種』って、なんだろう?

世界にはいろいろな肌の色、髪の色や質、色々な体型の人たちがいます。かつては人種、と呼んで、人類をコーカソイド、モンゴロイド、ネグロイドなどとわけていました。
しかし、20世紀後半になり、遺伝子学が発達すると、この説が科学的ではないと知られるようになりました。
2003年には、1990年から続いたヒトをかたちづくる遺伝子の解析が終わり、人間、一人ひとりに特有な部分はとてもわずかで、遺伝子の99、99%は、共通していることがわかりました。
一人の人は、たとえ見た目がどんなに違っても、他の人と遺伝子はほとんど違っていないという事です。生物学的には、何の根拠もないという事が明らかになり、現在では、“人種”という考え方は、社会的につくられたものという理解が、一般的になっています。」(10ページ)

人種は、ないけれど、人種差別はある。

フランスでは、公的な調査で、「人種」や民族性について尋ねることを禁止しています。しかし、そのフランスでも人種差別は根強くあります。
人種差別は、現在も、日本を含め世界各地であります。差別する人は、外見から文化まであらゆることを理由にして「人種」というものを作り出し、その「人種」により人間を区分し、差別しているのです。私たちは、科学的には人種はないことを認めつつ、人種差別をどうやって止めるのかを考えていく必要があります。(11ページ、引用終わり/)
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こどもとよく行く図書館で偶然出会った本。
これは子ども向けの社会学の棚から見つけた。
小学生向けなので、簡単な言葉で書かれており、写真も多く、わかりやすい。
ウクライナロシアから民族性や、歴史を追い。そこから派生し第二次世界対戦、沖縄、広島長崎と、どんどん歴史を遡っていく。

差別は身近にもある。
自分のなかにも。何かしら、折り合いが悪いときに、ただ、あーあー言うより、あれは~だからかくかくしかじか…と、何かと理由をつけたくなる。理由や理屈はもっともらしい。
でも、実際は、ただ、あーあーため息が、しっくりきたりする。実は直感や、感覚や、感情でうごいてる。

しょうがいしゃ差別、と、いうのもある。
自分のうまれもったものや、変えられないものに、何が憎いというのだろう。

すぐに、いなくなればいいとか、殺意とか、怖いことばを使わないでおくれよ。
すぐに、むかついたとか、いらついたとか、どきどきする単語を使わないでおくれよ。
そんな怖いことばを、平気で書くなんて、
「今まで平和でめぐまれて過ごしてきたのね」なんて、ついつい、つんけん思ってしまうから。
……そのような気持ちのときに、
『科学的には人種はない。』
『99、99%はだいたいおなじ遺伝子』
そう考えると、すごくミクロの差異で、うろたえたり、自信をもったりもてなかったりする、自分やまわりの人(ヒト)が、とてもいとしくせつなくかわいく見えてくる。
私のきらいなあの人も。私の好きなあの人も。
ちょっぴり苦手なあの人も。
地球の歴史や宇宙の歴史のうえでは。
科学的には99、99パーセント、同じ物質で出来ているのかもしれない。
私には、ロマンチックに感じる。
人種がないのだから、戦争をする意味がないのだった。
むだにけんかをしている暇はないのだ。
そういうのは、もういらない。
やさしい言葉をかけていくのに、こころを使いたい。小さいときに、まごまごしたので、もー十分。暴力やいさかいは、お腹いっぱい。
戦争が、終わらない今は、身近なひとを大事にする。想像するのを、やめない。
戦争が終わってほしい。
こどもとか、死なないでほしいんだ。



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