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【価格破壊】もう読む前にポチれ!…と言いたいレベルの良いイヤホンが1万円で出ちゃいました。

あれ?このイヤホン何円やっけな…
1万円…えー…1万円は流石に安いって…

Amazonでポチり、次の日に届いたこのイヤホン。
音楽を再生して数分。心からそう思いました。

久々に価格破壊レベルのイヤホンが爆誕!


その名も…TRI×HBB「KAI」

金×青。けどやらしくない絶妙なバランス。
ケーブルはNobunaga LabsさんのGilgamešに。

最近だとTRIPOWINのMeleやOlinaというイヤホンで話題になった、海外レビュワーのHBB氏とTRIのコラボイヤホンです。この『KAI』はDD1発という構成となっています。

【9.8mm DLC振動板】TRIは高いコストの直径9.8mmの第三世代DLC振動板を採用しています。

Amazon商品ページより

DLCとは「Diamond Like Carbon」の略で、FiiOのイヤホン、FD3とかでも使われているドライバーですね。

まず、見た目が凄く良いですよね。金と青のバランスも絶妙で、しかも金ピカ!って感じでは無い光り方なので、上品です。というか、少しですが高級感さえ漂っています。

肉眼で見るとこんな感じかなと。
キンキンせず、青もほんの少しだけ
トーンが暗いので、カッコいいです。

ちなみに僕はHBBコラボのイヤホンはTRIPOWINのOlinaも所有していました。Olinaは少しスッキリめの、気持ちいい音作りで、かなり好印象でした。なので、今回も無視聴特攻。笑

そして、音の良さは予想通り、いや、それ以上でした。というか、HBBコラボで現状一番いいかも…?(値段とか考えると特に)

正直、もう僕のレビューとか読まずにポチっても後悔しないと思うんですよね。いや、でも読んでくれても嬉しいですよ。笑

今回は「音質傾向の紹介→試聴音源の紹介と出音の言語化→総評」という流れで書いていきます。

■音質傾向

━━━━━━━━━━━━━━━━
 解像度:低・・★・・高
  音場:狭・・・・★広
  音色:冷・・・★・暖
  低域:弱・・・★・強
  中域:弱・・・★・強
  高域:弱・・★・・強
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※はじめに:付属のイヤーピースは正直微妙です。出来ることなら、他社製のイヤピに変えると良いかなと。

オススメはFinal Eタイプ for TWSという、軸と傘が短いタイプ。もしくはSpinfitなど、軸も傘も長めのタイプが良いかなと思います。

Final Eタイプ fot TWSを装着。

さて、まずは純正ケーブル(3.5mmアンバランス)で聴いてみました。線材は銀メッキ無酸素銅(純度は不明)です。

最初に言っておくと、ウォームな音作りが苦手。タイトに鳴ってくれるイヤホンが好き!って方には多分合いません。低音域にアタック感はありつつも、しかも広がりと余韻がある、暖かめな音がします。あと、低域は結構強めです。

しかし、中域や高域が低音に邪魔されて、モコモコ&ブーミーな音が鳴っている訳ではなく、高域はしっかり抜けてきます。(しかも、わざとらしく刺さるくらい強調したりする訳ではなく、あくまでも自然な鳴り方。)

そして、中域がリアル。この価格帯でここまで自然に、ザラつきなく表現できるもんなんですね。

ボーカルの息遣いとか、ロングトーンで歌い上げるときのビブラートなど、かなり自然ですし、楽器に埋もれずしっかり抜けてきます。あと、金属筐体って高域が刺さりやすいのに、全く問題ありません。

で、音場に関しては、ボーカルは結構近いのに、全ての余韻が長めなので、空間はめちゃくちゃ広い。横に広いですかね。ホールのような鳴り方をします。凄く気持ちいい。

価格帯は何十倍も違えど、FiR AudioのNeon4やXenon6に傾向は近く、低域に迫力があり、音の広がりがあるタイプのイヤホンです。

純正ケーブルの作りも決して
チープという訳ではなく、マットな金パーツで
まとめられていて統一感があり、オシャレです。

■試聴音源の紹介と出音の言語化

さて、今回のレビューでは、試聴音源ごとの出音を言語化していきます。参考音源はYoutubeを貼っていますが、実際はプレイヤーで試聴しています。あと、タイトルの下に書いている秒数は、自分がどこに注目してイヤホンの性能を判断しているかになります。

①Ado「踊」
0:00〜0:19 ボーカル・重低音・クラップなど高音の抜け
0:20〜0:49 ボーカルの余韻・アタック感・低音表現・打ち込みの抜け
1:11〜1:27 分離感・合唱ボーカルの解像度
1:59〜2:36 重低音・アタック感・定位感

開幕から「ドゥーーーン」と重めの重低音、高音ボーカルが押し寄せて来るんですが、音量によっては脳が震える…!というくらいのドゥーンが襲ってきます。笑

出典元:リゼロ「ペテルギウス・ロマネコンティ」

そして、低音に負けて高域がマスクされ…ないんですねこれが。気持ちよく低域の響きに合わせて、バランスよくクラップとボーカルの高域が鳴っています。

その後、どこかが刺さるとか、足りないとかがなく、サビ終わりまでノリノリで聴けます。サビ終わりの重低音も、一番下の帯域まで出ていて、まるでサブウーファーでも耳元に設置したかのようですw

この曲、かなりの重低音から、高域まで幅広く使われているので、イヤホンの性能を試すには割と良かったりします。激しめのリファレンス曲として使ってみて下さい✊

なお、UniqueMelody MaverickⅢのように
低域が控えめでドライな鳴り方をするイヤホンだと
こういったジャンルはかなり退屈に聴こえます。
この子は歌モノが得意なんだなと再確認しました。

②Cameron Graves「Adam & eve」
0:00〜1:10 定位感と表現力(シャッター音の位置やエフェクターを踏む音など)・ピアノの音
2:37〜2:53 ドラム(バスの鳴り方・スネアのアタックと胴鳴り、余韻。主に中域)
4:04〜 定位感・ホーンセクション・ベース・重低音

続いては、現代っぽさ全開のジャズですね。ピアニストのソロなんですが、次のアルバムは『ジャズ版プログレメタル』みたいな事やってて面白いので、DreamTheaterとか好きな方は興味があれば聴いてみて下さい。笑
 
この曲、最初にピアノの演奏の後ろで「ピピッ…カシャッ!」とカメラのシャッター音が聴こえますよね。

続いて、各パートが準備をしている時の、椅子がきしむ音。靴と地面がこすれる音。エフェクターを踏む音など、楽器以外の音が聴こえるんですが、定位感がよく、解像度が高いイヤホンだと、どこに人が居るかが結構明確に分かります。

その点、KAIは少し弱いかなと。別に悪いという訳ではなく、定位感も解像度も価格帯にしては良い方だと思うんですが、あんまり細かい、小さな音は表現しきれていない印象です。

なので、しっとりしたジャズナンバーだったりと、繊細さを楽しむ方面の音楽とは、少し合わない様に感じました。


ただ、ちょっと待て。
これ、1万円のイヤホンだぞと。


詰めが甘い部分は勿論ありつつも、ノリの良さだったり、臨場感だったりでしっかりカバーできてるのが凄い。

あと、2:37からのドラム。ここ、高域が強いイヤホンだと、スネアのアタック感が思いっきり刺さるんですが、バランスが完璧で「パンッ!(余韻)」と気持ちよく抜けて来ます。バスドラも「ドッ(胴鳴り)」って感じで良きです。個人的にドラマーとしては嬉しい音作り。

あと、ジャズはジャズでも、今風なジャズだとめっちゃ合います。ドラムンベース×ジャズ、みたいなのは最高です✊

例えばこちら。

Ishkeroというバンドで、ハービー・ハンコックの超有名な曲のカバーなんですが、ブンブン言いながら疾走していく気持ちいいアレンジで最高に楽しくなってます。こういう音楽はKAIにぴったりです。

いやぁ、気持ちいいっす。

③ELISA「光の星」
ボーカル・合唱パートの表現・レンジの広さ(音の大小の表現力)

うーん、どうもこういうオーケストラ系の表現は苦手なようです。音数が多くなってくると、ちょっと潰れて聴こえますね。

ただ、やはりボーカルの表現はめちゃくちゃ良いです。1万円の音じゃないと思います。ブレスの表現も自然に聴こえますし、目の前で歌っている!という程ではないにしろ、リアルな出音かなと思いますね。

SHUREのSE215を持っていたり、AcoustuneのMonitor RS ONEを視聴したりと、過去に1万円クラスのイヤホンは色々聴いてきました。(おい、モニター寄りのイヤホンじゃねぇか)

他にも同価格帯の中華イヤホンを何本か聴きましたが、個人的にはどれも「うーん」という感じでした。その点、同価格帯において、KAIは飛び抜けているなと。圧倒的✊

さて、他にも、手嶌葵さんの「明日への手紙」など、ボーカル中心の曲を聴きましたが、ボーカル表現は、やはり得意なようです。

解像度不足で、大編成の演奏や繊細な楽器の表現がちょっと気になるくらいで、めちゃくちゃ気持ちよく聴けるイヤホンです。バンドや打ち込み系とか聴くには最高のイヤホンのうちの1本だと思いますよ。

個人的に、音楽は土台として「ドラムとベースが気持ちよく聴けるか」が大事だと思っています。まず、ノリの良さが出てないと、楽しく聴くことは出来ないという考えです。

土台としてのドラムやベースがドライだと「ボケても一生突っ込んでくれない漫才の相方」みたいな感じというか、テンションが上がらないんですよね。音楽に生気を感じないと言うか。これ、分かる人居るかなぁ。笑

例えば、こういう、演奏者が全員バチバチでノリノリな演奏なのに、ドラムやベースがモコモコしてたり、逆にカッスカスだと、ギターやホーンセクション、シンセなどが際立たないんですよね。

KAIはその点、下をしっかり支えてくれつつ、でも上の帯域の邪魔はせず、気持ちよく中域・高域が出るので、楽しく聴ける、ということです。

さて、オーケストラなど、繊細かつ大編成な表現は苦手、ということがわかった所で、気持ちよく聴ける曲に戻りましょう。

うん、やっぱこういうのは最強ですね。

何も言うことが無いですwめちゃくちゃ気持ちよく抜けてくるボーカルに、ブンブン、ドゥンドゥン弾む低域・重低音。身体が勝手にリズムに乗っちゃいます。

1万円のイヤホンで、ここまで気持ちよく音楽を聴けて、解像度も値段にしてはかなり高い。マジでいいイヤホンだと思います。

◎合うジャンル

→R&B・KPOP・EDM・ロック・メタル・フュージョン・プログレ・JPOP・アニソン

✕合わないジャンル

→オーケストラ・ミュージカル・しっとり系ジャズ

■総評

91 / 100点

正直、びっくりしました。手持ちの一部の5万〜10万円のイヤホンより好きな音です。1万円という価格では、今までほとんど無かった音かと思います。
 
とにかく重低音か高域のシャキシャキで誤魔化すイヤホンが多い価格帯の中(最近の中華イヤホンは同価格帯でもクオリティ高いの多いですが)ボーカル表現がキレイで、自然な楽器の表現もあり、空間も広く、気持ちよく聴ける。

何より、音楽を何も考えず、不満も感じず、ノリノリで聴けるんです。しかもこの価格で。それだけで買いでしょ、と思います😊

こりゃあ良いイヤホンです。正直1万円だったらこんなもんでしょ?と思いながら耳に突っ込んで、音がなった瞬間言葉を失いました。笑

数秒後にはニヤニヤしてたんだから、そりゃもう良いイヤホンでしょ。あなたも是非、無視聴特攻を👍

(↑アフィリエイトリンクじゃないです)

また1〜10万円ほどの中華イヤホンを定期的に買い漁ってレビューしますので、楽しみにしていて下さい!次は、そろそろこの子でもレビューしようかな。笑

UniqueMelody Mason FS Red Halo FE…僕はこのイヤホンでハイエンド沼、脱出できました✊

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