ブルアカ小説本でコミケにサークル初参加してみて ~C101体験記~
皆さんあけましておめでとうございます、ポリメレースです。
冬コミではお世話になりました。スペースまでおいで下さった方、はるばる遠くから来てくれたフォロワー、現地で暖かく迎えてくださったサークルの皆様に感謝申し上げます。
さてこの記事の趣旨ですが、冬コミで初めて小説本を書いたので、サークル応募から当日までの流れをレポしていこうかと思います。
半分くらい備忘録のつもりなのであまり気取った感じではなくオフビートにつらつらと。周りで本出したいって言ってる人も多いので参考になれば幸いです。
応募した経緯
めっちゃ明け透けに言うと、夏コミで売り子としてサークル側に回ってみたら超楽しかったから、というのが動機です。
今までもちょこちょこ二次創作をやったり友人の本に寄稿はしていて、サークル参加自体も友人のワンフェスのお手伝いをしていたので、初めてではなかったんですけど、やっぱり、「一から十まで自分でコンセプトを組んだ物理書籍が」「目の前で人に手に渡り、消費されていく」光景を目の当たりにしたのはめちゃくちゃインパクトありました。それが羨ましかった、と言うのが正直なところ。この冬コミが学生最後のコミケになるし、だったら思い出作りでもいいからサークル側で参加してやれ、という動機から応募しました。就活も終わって(その時は)時間がありましたしね。
参加ジャンルにブルアカとシンゴジラを選んだのは、単純にどちらも好きだったからです。
ブルアカは4年ぶりくらいにハマった箱推しソシャゲでした(4年前はバンドリ、その前がFGOで多分最初が艦これ)。世界観やキャラクターのトーンがめちゃくちゃ肌に馴染むので、「今二次創作を描くならこれしかないな」という直感に従った形です。荒唐無稽さと地に足ついた感じのバランスの付け方が完璧ですよね、ブルアカ。シリアスとギャグの両方をここまで自然な形で許容してくれる作品ってなかなか無いと思います。
シンゴジラ、というか怪獣小説はずっと挑戦したいジャンルだったので混ぜ込みました。ブルアカは近代都市風の世界を舞台にしており、かつその世界の生活感がかなり緻密に描かれている作品であるためディザスター物に持ち込みやすそうだな、という目論見もあります。セカイ系と同じメソッドですね。応募直前の時期に小説版ゴジラS.Pやシン・ウルトラマンを見ていたのも影響していると思います。
まとめると、こんな感じです。
9~10月
サークル応募することへのハードルがとにかく高く、提出しただけでも体力を消耗したのでおやすみ期間でした。開幕ゴミムーブ十割。
サークル初参加かつ実績のない一般オタクが採択されることなんてあるのかよ、と疑っていたのはあります。本業が忙しかった、という言い訳もあります。
後から思えば全く通用しないので普通に書きましょう。
お前は絶対採択されるし、仕事はいつまで経っても無くなりません。締め切りだけが唯一絶対の揺るがない事実として存在します。
書け、今すぐに (fig.1)。
一応やっていたこととして、全体のプロットを書いたり時系列を纏めたりしていました。ちなみにこの時点では150ページくらいで考えていたみたいです。ば〜〜〜っかじゃねえの!?
あとはコミティアに一般参加してモチベを高めたりとかも。
一次創作っていいですよね、いずれはこっちもやりたいです。
11月
学会の準備に専念していました。懲りないね。
↑のゴタゴタでメンタルが不安定になっており、「コミケもどうせ受かんないでしょ」と考えて原稿はプロットを触ったり資料をまとめる程度のことしかしていませんでした。
ブルアカって公式設定資料集などがないので設定の把握が難しいと思うんですよね。みなさんはどうやってるんでしょう?ぜひ教えていただきたいです。
とかやっていたら当落当日。嬉しいことに当選の報をいただきました。
嬉しい気持ちと、マジか。って気持ちが7:3くらい。メンタルはよくなったような悪化したような状態で、よく覚えていないです。
この日からぼちぼち本編の原稿を進めていきました。とは言っても学会のラッシュが押し寄せていたため、11月中は思うようにいきませんでした。
さていつのまにか締め切り一ヶ月前です。
12月
実は12月に入るまで印刷所のことや表紙、設営について一切考えておりませんでした。当然、一般的な締切ラインとかも知りません。
夏コミに参加した際、友人が「会場直接搬入」なるものを使っていたことだけ覚えていました。なのでまあ、入稿したらとりあえず現地(ビックサイト)に本は届くしなんとかなるっしょ。くらいの心持ちです。最悪コピー本にしてしまえ、とかも考えていました。
しかし12月に入り、いよいよサークル参加が現実味を増してくると見栄を張りたくなるのが人間です。やっぱりちゃんと印刷所に頼んで本に見えるものを刷ろう。と決めました。
というわけで、今回使用したMaterials & Methodsが以下の通りになります。
プリントオン様は、ギリギリまで待ってくれそうで、かつ印刷サイズに幅がありそうという理由で選びました。
一般的な締切ラインは12/20らしく、まあ流石の自分といえども23日には上がっているだろ、と考えていた時期もありましたが、結果的に12/26に設定して正解でした。なにせ書きあがったのが26日の昼過ぎでしたから。
(もっとギリギリでも行けるところがあれば、ぜひ教えてください)
本のサイズは当初文庫サイズ(A6)にしようと考えたのですが、この時点ですでにページ数を確保できないことはわかりきっていたため、できるだけ見栄えを良くしようと考えた末B6を選びました。周りからズレていないかな、と内心心配だったのですが、他のサークル様もこのサイズで刷っていらっしゃる方が多かったのでよかったです。
版組み・表紙は当初WordとPowerPointを使うつもりでしたが、学生はAdobeの全部入りサブスクを月額2000円ちょいで使えることを直前で知り変更しました。結論から言うと、絶対にこっちの方が良かったですね。本を組む際の自由度が段違いでした。
諸々の使い方についてはFare.様のサイトと「初めての小説本」を参考にいたしました。ありがとうございました。
最後に表紙についてはかなり悩みました。
12月に入っているにも関わらず、内容がほとんど決まっていない本の表紙イラストを誰かに頼むわけにもいかず、かと言って自分には絵心もデザインセンスもないので。
というわけで、実写写真にしました(Fig.2)。
それでも塩梅がわからず、デザインが得意な友人たちに色々聞いて今の形になりました(この場を借りてお礼申し上げます)。
怪獣(≒特撮)小説を出すからには実在感を匂わせられる表紙だといいな、と考えていたのでまあ当たらずとも遠からずと考えます。
ブルアカ本なのにキャラもペロロも出てこない汚ねえ渋谷の街を載せて怒られないか心配でしたが、結果的にお褒めをいただくことが多く大変嬉しかったです。重機とビルは、映せばとりあえず映えるので良いですね。
締め切り二週間前
さて肝心の本文ですが、こちらはメチャクチャ難航しました。十一月の終わりからガシガシと書き進めては居たんですがどーにもこーにもまとまりきらず、2回ほど書き直しています。
結局当初立てたプロットは全て投げ捨てて、今回出した「26280h」を12/13から書き始めました(Fig.3)。出てくるキャラクターや展開等も総とっかえです。
もうちょっとこう、最初に詰めるとかをだな。
元々「放課後スイーツ物語 甘い秘密と銃撃戦」が死ぬほど好きだったこともあり、放課後スイーツ部は比較的書きやすく、動かしてて楽しかったです。
改めて実感しましたが、スイーツ部はキャラ配置が完璧ですね。会話劇がスルスル組める。バカテスあたりの往年の学園ギャグラノベを思い出します。
本当はあのバカも出したかったけど尺的に難しかったので悔しいです。
一方でスケジュールについては(個人的に)厳しかったです。自分はかなり遅筆な方なので、2週間で短編一本はちょっと時間が足りないですね。
お仕事しながら中編〜長編を書き上げられてる他のサークルさん方はやっぱりすげえなぁと思います。
それでも無事入稿できたのは、ケツをたたき続けてくれた友人たちのおかげです。本当にありがとうございました。
脱稿後
26日に脱稿した後は、設営の準備などをしておりました。
これが意外に落とし穴で、サークル参加経験がないとどのようにブースを設置すればいいのか皆目わからないんですよね。6年間近く眺めているはずなのに、不思議です。
今回はネットに落ちていたいろいろな写真を参考に、以下のように組み上げてみました。大型のポスタースタンドを用意できなかったのが個人的に残念です。次までには購入しておきます。
ポスターはかなり駆け込み気味で発注したんですが、最終的に用意して大正解でした。あるかないかで見栄えが全然違いますね(自スペースに飾った瞬間「コミケのサークル」に見えるようになり、めちゃくちゃ感動した)。
あとは後から気づいたこととして、無印のアクリル仕切り棚(アクリル仕切棚・小 約幅26×奥行17.5×高さ10cm | アクセサリーケース・アクリル収納 通販 | 無印良品)と、それを隠すための布、釣り銭用の受け皿(500円と100円をストックしておく)は用意した方が良かったなーと思いました。2日目に手伝ったサークルさんが使っていてめちゃくちゃ便利だったので、忘れないように書いておきます。
その他にはペーパーを書いたり、刷ったり、誤字に気づいて刷りなおしたりしていました。ソワソワしすぎて眠れなかったです。
コミケ当日
結局眠れず、8時くらいに会場入りしました。前日急遽売り子を依頼した友人には大変ご迷惑をおかけしました。
当日の出来事についてはもう色々ありすぎて書ききれない程なのですが、まず自分の本を手に取ってくださった方々に感謝が止みません。ありがとうございました。楽しんでいただければ幸いです。
周りのサークルの方々もめちゃくちゃ温かく、楽しい想いでいっぱいでした。キム・ヨンハ総括プロデューサーが視察にいらっしゃった瞬間の緊張は、ちょっと今までにない種類のやつで一生残りそうです(隣のサークルさんの本が売れたあとに、隣の売り子さんとあれプロデューサーだよ!みたいに盛り上がって楽しかったです)。
キムヨンハのHDDドライブの中に入っている俺らの薄い本こそがブルーアーカイブ(青い=えっちな、記録)……ってコト!?
あとやっぱり、自分と同じジャンルに、同じ物書きさんがたくさんいるって事実に勇気づけられました。
正直今回は完全に思い出作りのつもりで参加したので次については何も考えていなかったのですが、隣にいらっしゃったなな☆だまさんから「次も出しましょう、働きながらでも書けます」と背中を押されたのがかなり残っています。
せめてトリロジーになるくらいは書いてみようかな……の気持ちです。とりあえず、夏コミか(あれば)サンアカ3に出てみようかと。
購入させていただいた本については、年始を使ってゆっくり読んでいこうと思います。
この時間が一番生を実感できる、ので。
色々終えて
まあ、なんとかならなかったなりに、なんとかなったかな。
「自分の”好き”だけが詰まった本を作る」という目標が達成できただけでもかなり満足できたのですが、やっぱり同ジャンルの作家さんとたくさんお知り合いになれたことが嬉しかったです。
また何かの機会があれば、よろしくお願いいたします。
反面、小説の内容についてはもうちょっと上手く出来たかなぁという後悔があります。
起承転結も三幕構成もボロボロだし。
次の本はちゃんと計画を組んで、ね……?
プロットやアイデア溜めだけでも今から始めなきゃですね。コミケ終わった後が一番創作欲高まりますし。
とりあえず年始の目標は、次回作の企画書完成としておきます。
あとは、
ハルナを引いて、
溜まってる水星の魔女とDIYとモブサイコを見て、
アバターを観に行って、
円城塔の『怪談』を読んで、
アーマードコア6に備えて……
くらいですかね。
トキ、早く実装されないかなぁ。
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